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【天皇賞・春の掟】タイトルホルダー「無事」でも苦戦必至だった!? ジャスティンパレス完勝と、ボルドグフーシュ完敗が示したもの

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タイトルホルダー 撮影:Ruriko.I

 ジャスティンパレスという新王者の誕生で幕を下ろした今年の天皇賞・春(G1)。リニューアルされた京都競馬場で最初のG1レースであることや、相棒をG1初制覇に導いたC.ルメール騎手の見事な手綱さばきなど、今年も見どころ満載の内容だった。

 だが、レース後に最も話題を集めたのは、やはり競走を中止したタイトルホルダーだろう。

 7馬身差の圧勝劇を演じた昨年の天皇賞・春から1年。ディフェンディングチャンピオンは前哨戦の日経賞(G2)を8馬身差で圧勝したこともあって、単勝1.7倍の大本命に推された。

 逃げ宣言していたアフリカンゴールドが果敢にハナを奪ったことで、2番手からの競馬となったが、道中で逃げ馬が後退したとみるや、いつもの逃げに持ち込む。先頭に立ってライバルたちを牽引する姿は王者の貫禄さえ感じさせるものだったが、勝負どころの2周目3コーナーで手応えが怪しくなると早々に後退……。

 主戦の横山和生騎手が下馬する事態になり、競馬場だけでなく、ネット上も騒然となった。

 幸い、右前肢の跛行ということで大事には至らなかったが、不完全燃焼の一戦になってしまったことは間違いない。大本命馬のリタイアということで、勝ったジャスティンパレスにさえ“暫定王者”という声があるほどだ。その賛否はさておき、少なくとも「タイトルホルダーが無事に走るところを見たかった」というのは、全国の競馬ファンの思いだろう。

 しかし、仮にタイトルホルダーが無事に天皇賞・春を完走できたとして、昨年の圧勝劇が再現されたかというと少なからぬ疑問が残る。

京都開催「天皇賞・春の法則」の復活

 今年の天皇賞・春は「3年ぶりの京都開催」が大きなポイントの1つだったが、実は過去10年の天皇賞・春の連対馬20頭の内、サンデーサイレンス系種牡馬を父に持つ馬が19頭を占めていた。

 もっと言えば、昨年のタイトルホルダー以外の全馬である。

 また、タイトルホルダーを除いた勝ち馬の父に絞ればディープインパクト、ブラックタイド、ステイゴールドの3頭しかいない。それもディープインパクトとブラックタイドは同血の全兄弟である。血統が示す天皇賞・春は極端な傾向があるレースと言えるだろう。

 その上で注目したいのが、3着馬だ。

 実は3着まで広げても、父が非サンデー系なのは昨年のテーオーロイヤル、2013年のレッドカドーの2頭だけ。その内、サンデー系とはほぼ縁がないレッドカドーは外国馬だ。

 注目したいのは昨年で、これだけサンデー系が強いレースながら昨年は1着・3着が非サンデー系。その大きな要因の1つが、やはり京都ではなく「阪神」で開催された点と言えるのではないだろうか。

 実際に上がり3ハロンの最速は2013年~2020年の京都開催では、ほぼ34秒台となっており、今年の上がり最速もジャスティンパレスの34.9秒だ。一方で阪神開催だった2021年、22年はワールドプレミアの36.7秒、タイトルホルダーの36.4秒。これだけを見ても京都開催と阪神開催では、まったく異なるレースになっているといえるだろう。

 これを裏付けるように、京都開催に戻ってきた今年の1~3着はすべてサンデー系。8番人気で5着に好走したマテンロウレオもハーツクライ産駒だった。そして、2番人気ながら6着に敗れたボルドグフーシュが非サンデー系だったことからも「天皇賞・春の掟」が復活したといえるのではないだろうか。

 以上を踏まえると、仮にタイトルホルダーが無事に完走していたとしても、苦戦は必至だった可能性がありそうだ。少なくとも、昨年のような圧勝劇はなかった可能性は高い。競馬に「タラレバ」は言い出せばキリがないが、いずれにせよ来年の天皇賞・春に向けて覚えておきたい。

★2022年
1着:タイトルホルダー ドゥラメンテ
2着:ディープボンド キズナ
3着:テーオーロイヤル リオンディーズ

★2021年
1着:ワールドプレミア ディープインパクト
2着:ディープボンド キズナ
3着:カレンブーケドール ディープインパクト

2020年
1着:フィエールマン ディープインパクト
2着:スティッフェリオ ステイゴールド
3着:ミッキースワロー トーセンホマレボシ

2019年
1着:フィエールマン ディープインパクト
2着:グローリーヴェイズ ディープインパクト
3着:パフォーマプロミス ステイゴールド

2018年
1着:レインボーライン ステイゴールド
2着:シュヴァルグラン ハーツクライ
3着:クリンチャー   ディープスカイ

2017年
1着:キタサンブラック ブラックタイド
2着:シュヴァルグラン ハーツクライ
3着:サトノダイヤモンド ディープインパクト

2016年
1着:キタサンブラック ブラックタイド
2着:カレンミロティック ハーツクライ
3着:シュヴァルグラン ハーツクライ

2015年
1着:ゴールドシップ ステイゴールド
2着:フェイムゲーム ハーツクライ
3着:カレンミロティックハーツクライ

2014年
1着:フェノーメノ ステイゴールド
2着:ウインバリアシオン ハーツクライ
3着:ホッコーブレーヴ マーベラスサンデー

2013年
1着:フェノーメノ ステイゴールド
2着:トーセンラー ディープインパクト
3着:レッドカドー   カドゥージェネルー
★は阪神開催

GJ 編集部

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