日本史上最強馬・エルコンドルパサーを超えない限り日本競馬に前進はない。「世界史上最高の領域」に踏み入り、マカヒキは日本競馬の「新たなる時代」の扉を開けるか
国際レーティングは「134」。今年、イスパーン賞を10馬身差で圧勝し世界1位の評価を受けていたエイシンヒカリで国際レーティングは「129」、日本馬として唯一年間チャンピオンを防衛した2014年のジャスタウェイですら「130」である。
この「134」という記録は昨年、37年ぶりに米国三冠馬を達成し、引退レースのブリーダーズCクラシックを6馬身1/2ぶっちぎったアメリカンファラオと同格。近年でこれを上回ったのは、21世紀最強馬といわれるフランケル、欧州の歴史的名馬シーザスターズなど、ほんの一握りだけだ。
つまり、エルコンドルパサーが登りつめた「領域」は、そういった世界競馬の歴史の中でも頂点に君臨する”雲の上”である。
あれから17年。マカヒキが挑戦する凱旋門賞だが、1番人気が確実視されているポストポンドでさえ国際レーティングが「124」という事実を鑑みれば、例えマカヒキが5馬身差で勝利してもエルコンドルパサーのレーティングを上回ることは難しいと述べざるを得ない。
だが、それでもマカヒキが凱旋門賞を勝つことで、エルコンドルパサーが築いた「2着」という記録を塗り替えることはできる。それは必ずや日本競馬のさらなる前進、そして新たなる時代の幕開けとなるに違いない。
1つ、1つ、偉大なる「日本史上最強馬」の記録を塗り替える。それこそが日本競馬が前進している礎となるのだから。