GJ > コラムニュース > 震災の日に生まれた「運命の馬」  > 2ページ目
NEW

“あの日”から5年――震災の日に生まれ、死の危機を乗り越え栄光をつかんだ「運命の子」トーホウジャッカル


 迎えた本番、菊花賞。内枠を引いた同馬は、5番手のインコースという絶好の位置で脚を溜めることに成功。最後の直線をスムーズに抜け出すと、ワンアンドオンリーやトゥザワールドなど人気馬を置き去りにし、サウンズオブアースの追撃も振り切って見事G1制覇を達成。谷潔調教師は開業20年で初のG1制覇、デビュー149日での菊花賞制覇は史上最短、タイムは従来のレコードを1秒7も更新するなど、記録ずくめの勝利となった。淀に現れた金色のニューヒーロー誕生に、観衆は酔いしれた……。

“あの日”に生まれ、生死の境をさまよい、奇跡のような復活を遂げて世代の頂点へ……。なんとも出来過ぎたストーリーではあるが、日本中を絶望させた出来事とリンクさせ、競馬のロマンを強く感じた人も多かったのではないだろうか。

 続く15年、トーホウジャッカルはケガの影響もあってか思うような活躍ができずに終わった。しかし、彼の物語はまだ終わらない。今月20日の阪神大賞典に出走を予定しているようだ。震災から5年が経った翌週に出走というのも、また運命のようなものを感じさせる。

 逆境を越え、ひたむきに生きて栄光をつかんだトーホウジャッカルの姿は、苦境にあっても笑顔を絶やさぬよう生きる被災地の人々の姿と重なる。負の状況を越え、プラスに変えることこそが”強さ”なのだと教えてくれる。

 3月11日だけでなく、京都競馬場に秋が訪れるたび、筆者はトーホウジャッカルの勇姿と”あの日”を想い起こすのである。

“あの日”から5年――震災の日に生まれ、死の危機を乗り越え栄光をつかんだ「運命の子」トーホウジャッカルのページです。GJは、コラム、, , , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

11:30更新
  • 総合
  1. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  2. 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
  3. 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
  4. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  5. JRA調教師の目標は「餌やり」からの卒業!? 競馬界の「影の王」ノーザンファーム外厩大成功に存在意義ズタズタ……
  6. 四位洋文騎手が「トラウマ」嘆く……武豊騎手も不快感を露にした昨年「マイルCS」ディサイファの悲劇
  7. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  8. エリザベス女王杯「単勝430.6倍」大激走に19歳ジョッキーも「本当に信じられません」。 武豊1番人気がまさかの結末で生まれたJRA・G1最高配当【競馬クロニクル 第30回】
  9. 「死活問題」発生に競馬YouTuberが絶滅の危機!? 突然の動画削除にファンも動揺…… チャンネル配信者らに何が起こったのか
  10. エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは