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前人未踏・通算4000勝の大記録達成の武豊騎手に『国民栄誉賞』の声……最大の焦点は「競馬」のギャンブル性か。「柔軟な表彰規定」の可能性に迫る

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 日本で「競馬」という競技の知名度は高く、世界的に見たレベルやファンの規模を鑑みても日本有数のスポーツであることに間違いはない。従って、少なくとも国民栄誉賞の基準の一つである『広く国民に敬愛される』という点は、十分にクリアしているはずだ。

 だが、その一方で競馬は紛れもない「ギャンブル」という側面を持っている。

 国営であり、違法性などが皆無であることは当然として、それでも「競馬」と「ギャンブル」は切っても切り離せないものだ。

 そして、競馬だけでなく、麻雀や競艇、パチスロなどギャンブルのカテゴリーに属する競技関係者は、今なお業界のリスキーなイメージを少しでも明るくしようと、主催者側からプレイヤーまで様々な努力を行なっている。

 だが、未だ健全で高いレベルの社会的信用を得ているとは言い難いのが実情だ。

 その上で、武豊騎手の国民栄誉賞という点で最大のネックとなるのは、やはり競馬がギャンブルであるという事実だろう。先述した多くの関係者の尽力もあって、ギャンブルは一時代と比較すれば大きく市民権を回復しつつあるが、それでも「ギャンブル=悪」と見なす人は確実に存在する。

 そして、武豊騎手が競馬でどれだけ感動的なシーンを国民に提供しようとも、そういった人々にとっては競馬という”悪事”に加担する人間でしかないのだ。従って、その人々にとっては武豊騎手が国民栄誉賞を授与されることなど、まったく理解できないということだ。

 無論、これはあくまで一部の人々の価値観だが、その数は過去の受賞者である伊調馨選手や松井秀喜氏、長嶋茂雄氏の国民栄誉賞に強く異を唱える人々よりも確実に多く存在する。それが明確な限り、武豊騎手の国民栄誉賞はより困難を極めることだろう。

 やはり、ギャンブルで審査基準となる『社会に明るい希望を与えること』は難しいと述べざるを得ないからだ。

 だが同時に、武豊騎手が所属するJRAは農林水産省が監督する特殊法人である。

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