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JRA有馬記念(G1)武豊「神判断」でワールドプレミア末脚爆発! サートゥルナーリア復活「3歳馬」躍進の中、惜しまれる「アノ馬」の不在

 ここで引退のアエロリットが大逃げを打つ中、1000m通過は58.5秒のハイペース。大方の予想通りだったが、そこで腹を括って最後方待機を選んだのがワールドプレミアの鞍上、武豊騎手だ。その作戦が見事にはまり、最後は2着サートゥルナーリアをクビ差まで追い詰めている。

「1着のリスグラシューから7着のレイデオロまで、すべて後方待機組だったように、まさに死闘といえる極端な消耗戦になりました。

 その最大の原因はハイペースで逃げたアエロリットを、大本命のアーモンドアイが早めに捕まえに行ったことで、各馬が一気に動き出したことですが、そんな中、最後の最後まで仕掛けを遅らせたのが武豊騎手でした。

 最後の直線を迎えた時、ワールドプレミアは最後方だったんですが、そこから猛烈な追い上げ。ただ、これは本馬の末脚のキレというよりは、先に動いた各馬が止まったことが最も大きな要因だと思います。そういった意味では、武豊騎手の冷静な判断力と、最後まで我慢した胆力が好走を生んだと言えますね」(同)

 実際にワールドプレミアの上がり3ハロンは35.0秒。同日に同じ中山・芝で行われた2勝クラスの上がり最速が34.5秒だったことを鑑みても、決して“キレキレ”だったわけではない。いわゆる「激流」の中、最後方待機を貫き、最も展開のアドバンテージを掴んだのが、武豊騎手とワールドプレミアだった。

 G1馬11頭が集った「最強馬決定戦」で存在感を示した3歳クラシックホース。もし、ここに屈腱炎でターフを去った今年のダービー馬ロジャーバローズがいれば、果たしてどんな結果になったのだろうか……。皐月賞馬と菊花賞馬の奮闘を見て、ふとそんなことを思った。

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