
JRA根岸S(G3)モズアスコット 安田記念馬が異例のダート転戦 「頼れる援護射撃」で勝算あり!?
芝のG1・安田記念の勝ち馬モズアスコット(牡6、栗東・矢作芳人厩舎)が異例のダート転戦だ。同馬は18年の安田記念をC.ルメール騎手を背に快勝したが、以降はスワンS(G2)を18年、19年と2年連続で2着したものの、約1年半ほど勝利から遠ざかっている。
善戦しても勝ちきれない現状から今回のダート戦は吉と出る可能性が高い。馬自身の状態は良好で、1週前の追い切りでも坂路4ハロン50秒6-12秒2の一番時計を馬なりで叩き出し、一杯に追われるローゼンリッター(4歳1勝クラス)を3馬身突き放した。陣営は「この馬らしい動き。まだ体に少し余裕はありますが、来週も追い切れるので」と初のダート挑戦を前に充実ぶりが伝わってくる。
すでに陣営からは根岸S(G3)を使って、その後2月23日に同じく東京競馬場で行われるフェブラリーS(G1)、さらに4月4日にオーストラリアのランドウィック競馬場で行われるドンカスターマイル(G1・芝1600m)へ参戦する異例のプランが発表されている。
血統的にも父Frankelのダート適性は未知数も、母父にはハリウッドジュヴェナイルチャンピオンシップS(G2)、サプリングS(G2)、ホープフルS(G1)などダート重賞実績のあるヘネシー。日本で活躍した産駒にはフェブラリーSを勝ったサンライズバッカスがいるのは強みだろう。
心強いのは昨年のJRA・G1で最多の5勝をあげたC.ルメールとのコンビ再結成。同コンビでは9番人気の低評価ながら18年の安田記念を優勝。このときはスタートを決めたものの、ポジション取りで後手を踏み、インの中団で辛抱強く待機。直線で進路が開けた一瞬の隙を見逃さずに馬群を縫うように末脚を伸ばして、粘るアエロリットの勝利を阻止した。これはルメールの冷静な判断と卓越したセンスあってこそだった。
それ以外でも注目したいのは芝からのダートに転戦した馬の好走である。タイムリーなところでは、1月26日(日曜)に行われた東海S(G2)のエアアルマスの優勝。期待されていた割には自己条件を卒業できないでいた馬が、ダートを試した安芸S(1600万)で一変。太秦S(OP)まで破竹の3連勝を決めた。重賞挑戦となった武蔵野S(G3)は砂を被らない外に出すのに手間取って11着に敗れはしたが、初の一線級が相手となった東海SではフェブラリーSの勝ち馬インティを負かす金星をあげたばかり。
少し遡ると16年のJBCクラシック(G1)を勝ったアウォーディーも芝の自己条件をなかなか勝ち切れずにいたが、初ダートとなったオークランドレーシングT(1600万)を快勝すると、それまでのもどかしさが嘘のように6連勝で一躍トップホースの仲間入りを決めている。
ダートも走れそうな血統、ルメールとのコンビ再結成、馬なりで一番時計が出る臨戦過程と買える要素は十分。フェブラリーSを勝てばアグネスデジタルに次ぐ2頭目の芝・ダート両マイルG1勝ちも見えてくる。まずは2月2日の根岸Sに全力投球といきたい。
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