
JRA「曲者」スワーヴリチャード引退。O.マーフィー騎手「社台」で働く!?
29日、18年大阪杯(G1)19年ジャパンC(G1)でG1・2勝のスワーヴリチャード(牡6歳、栗東・庄野靖志厩舎)の競走馬登録抹消が発表された。今後は北海道勇払郡安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬となる予定。
スワーヴリチャードは父ハーツクライ、母ピラミマという血統。父は19年のサイヤーランキングでディープインパクトに次ぐ2位の大種牡馬だ。スワーヴリチャードのセカンドライフは「ハーツクライの後継争い」に注目が集まる。
現在ハーツクライ産駒ではジャスタウェイが抜けた存在と言える。同馬は現役時代、G1・3勝の名馬だ。しかし、3勝ともすべて2000m以下のレース。産駒にもその特徴が反映され、2000m以下のレースに好走が集中している。代表産駒のヴェロックスも例に漏れず、2400m以上のレースは4戦したが一度も勝てていない。
その点、スワーヴリチャードにはジャパンCの2400m勝ちがあり、クラシックを見据えるうえでセールスポイントになるのではないだろうか。
また血統面は両馬とも母系がアメリカ血統で、5代目までのクロスがないアウトブリード。ジャスタウェイが一定の成果を上げていることが、スワーヴリチャードの後押しとなるのではないだろうか。
スワーヴリチャードは現役時代、サプライズが多いある意味「曲者」だった。
日本ダービー(G1)で2着に惜敗したあとに選んだレースはアルゼンチン共和国杯(G2)。3歳馬の出走は異例ではないが、珍しい。1番人気に応え見事に勝利した。これをステップに暮れのグランプリに挑んだ。
明け4歳、大阪杯は向こう正面からの仕掛けで見事勝利。予想外の展開に皆が驚いた。しかし、それ以上に驚いたのが、次走にまさかのマイルG1安田記念を選んだことだ。結果、初マイルながら上々の3着ではあったが。
その後、G1戦線で好走するも勝ちきれないレースが続いた。
大阪杯から1年7カ月後、昨年ジャパンCでO.マーフィー騎手を背に復活の勝利という嬉しいサプライズを届けてくれた。
実は19年秋古馬三冠(天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念)を皆勤したのはスワーヴリチャード1頭のみ。ラストイヤーは曲者ながら王道を歩み、勝利の美酒を味わった。
父ハーツクライも4歳は同ローテーションで有馬記念に挑み、ディープインパクトから大金星をあげている。意外性の血は争えないのかもしれない。
今回の引退を受け、『日刊スポーツ』の取材に対してジャパンC勝利の立役者・マーフィー騎手は「僕にとってのメモリアルホース。僕も引退したら社台SSで働きたいな(笑い)」と引退を惜しんだ。
今年種牡馬入りする馬は、同世代のダービー馬「レイデオロ」、同じ父を持つ「シュヴァルグラン」、ドバイWC勝ち馬「カリフォルニアクローム」「サンダースノー」「アニマルキングダム」らが顔をそろえる。強力なライバルに負けないよう頑張ってほしい。
産駒デビューは早くて3年後。スワーヴリチャード産駒に驚かされる日を楽しみにしたい。
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