
JRAフェブラリーS(G1)「結果がなければ次はない」モジアナフレイバーただならぬ決意
「フェブラリーSの結果がなければ次はない」
大一番を前に福永敏調教師は語った。
3月28日(土)、メイダン競馬場で行われるドバイ国際競走ゴドルフィンマイル(G2)の招待を受諾したモジアナフレイバー(牡5、大井・福永敏厩舎)陣営にとって、フェブラリーS(G1)出走はただならぬ決意の表れだ。
16日の追い切りは、小林トレセン・ダートコースを単走で強めに追われ、6F75秒5-60秒5-47秒1-35秒3-11秒6(良)をマーク。もとより調教駆けする馬ではあるが、スピード感あるパワフルな走りに好調ぶりが伝わってくる。
本番の1週前に追い切るのは、3着した前走の東京大賞典(G1)と同じパターン。福永調教師は「最後に調整ができるように早めに追い切ったが、これだけ動けているし、レースまではリカバリー重点で調整するつもり。この馬らしい、いい追い切り内容だった」と手応え十分だった。
同馬の馬主は尾田信夫氏。輸入食材店「カルディコーヒーファーム」で有名なキャメル珈琲の代表取締役社長である。
「中央のG1は別世界。オーナーと挑戦することを目標に、励みにしてきた」とは福永調教師。
モジアナフレイバーは17年にデビューから4連勝したように期待馬の1頭ではあった。だが、南関クラシック1冠目となる18年羽田盃で2番人気に支持されるも4着に敗退、続く東京ダービーでは4番人気の4着と連敗して壁にぶつかった。
そこで陣営は3冠目のジャパンダートダービーは使わずに休養を選択。秋に復帰すると勝島王冠で前年の東京ダービー馬ヒガシウィルウィンを破り、重賞初制覇を遂げた。勢いそのまま暮れの大一番となる東京大賞典では、初めて中央の一線級とぶつかったが9着に完敗。レベルの違いを思い知らされる結果となってしまった。
ところが、前走の完敗から半年経った19年5月の大井記念では、G3勝ち実績のある元中央馬センチュリオンを3馬身半突き放し、3着馬はさらに6馬身差がつく大楽勝。別馬のように進化した姿を見せたのである。
19年の帝王賞(G1)で再び中央の馬に敗れはしたが、手も足も出なかった東京大賞典当時とは異なり、G1馬であるインティやサウンドトゥルーを負かすという手応え十分の5着と気を吐いた。南部杯(G1)は4着に入り、続く勝島王冠でノンコノユメ、サウンドトゥルーを破り完勝するなど、もはやかつてのひ弱な姿はなくなった。
そして集大成となったのが昨年の東京大賞典だ。ついに交流G1で初となる3着に入ったのである。ただの3着ではなく、4着馬は前走チャンピオンズC(G1)を2着したJRAの一流馬ゴールドドリームだった。
これまで中央の厚い壁に跳ね返されてきたモジアナフレイバーにとって、ついに一角崩しを達成し、陣営にとっても自信が確信に変わった瞬間だったに違いない。
それだけに今回のフェブラリーS挑戦は、尾田信夫オーナー、福永敏調教師、生産者の桜井牧場、デビューから乗り続ける繁田健一騎手、そして地方競馬ファンの託した夢が詰まっている。同じ地方所属馬で一昨年のフェブラリーS優勝馬ノンコノユメとは、同馬が中央のファンにとって馴染みが深いこともあってか、単勝人気で大きく差をつけられている。だが、ここまで舐められては黙ってはいられないだろう。
モジ「穴」フレイバーの夢はまだ終わらない。
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