JRA新型コロナウイルス「注意喚起」発表も、「疑問の声」は払拭できず!?
21日、JRAは公式ホームページに「新型コロナウイルス等の感染予防対策について」を掲載した。来場のお客様に対応と協力のお願いとして、注意喚起を呼びかけている。内容はごく当たり前の“手洗い、マスク着用、アルコール消毒の利用促進”に加えて、接触行為がある一部イベントの休止も発表された。
また日本騎手クラブもファンサービスの一環である握手・サインを自粛することを決め、すでに東西各騎手に通達されている。ジョッキーの間でも感染拡大防止のため、対策が検討されていることが窺える。
20日に厚生労働省が「イベント開催の必要性を改めて検討するようお願いする」という旨の声明を発表。すでに日本各地で様々なイベントが中止を発表しており、日本経済にとっても大きな打撃となりそうだ。
約3万8000人が参加を予定していた東京マラソンが一般参加を中止にしたのは、その中でも代表例である。しかし、現状JRAは注意喚起のみで、約5万人の来場者が見込まれるフェブラリーS(G1)を開催することに、ファンからも「疑問の声」が挙がっている。
ただ、これには簡単に中止にできない様々な事情も垣間見られるようだ。
「昨年6月、飼料添加物グリーンカルに禁止薬物テオブロミンが混入したことで、前代未聞の156頭除外という状況でも、レースは予定通り開催。
もし中止となったら、陣営はレースに向けて各馬を仕上げているため、オーナー・厩舎サイドからの猛反発が予想された。また除外馬のみならず、出走予定馬も含めての次走の調整が困難になるということがあっただろう」(競馬記者)
このように「現場の声」も開催への後押しとなっていたようだ。
しかし、今回の新型コロナウイルスは観客を含めた人の問題でもある。香港競馬ではコロナウイルス感染拡大を恐れて「無観客レース」を実施するなど、すでに競馬界においても深刻な問題としてとらえられている。
「無観客レースとなると競馬場での売上(入場料・飲食等)がなくなってしまう。1回限りの興行であれば、『中止』『無観客』といった英断も下せるかもしれない。だが、終息が見えないなか毎週レースは予定されているため、JRAとしてもそう簡単に判断は下せないのかもしれない」(競馬記者)
たしかに「現場の声」、「売上」が競馬という興行を成り立たせるためには重要である。しかし、もし感染拡大の一端を担ってしまえば、大きな問題になってしまう。
国内で死者が出ている新型コロナウイルス対策だけに「まだ改善の余地があるのでは」という声もある。今後のJRAの対応の変化にも注目していきたい。
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