JRA何故「ディープインパクト記念」が先だったのか? ナリタブライアン記念、シンボリルドルフ記念が生まれない理由
8日、弥生賞ディープインパクト記念(G2)をサトノフラッグが圧勝。ディープインパクトの主戦だった武豊騎手が、ディープインパクト産駒で勝利するという、今年から名称が変更になった「ディープインパクト記念」を大きくアピールする結果となった。
ただその一方、以前から一部のファンの間でたびたび議論されているのが、何故、ディープインパクト以前の三冠馬……ナリタブライアンやシンボリルドルフの功績を称えた「記念」レースが生まれないのかということだ。
確かに、現在施行されているJRAの重賞で馬名を冠したレースは、共にクラシック三冠を達成したセントライト記念(G2、中山・芝2200m)とシンザン記念(G3、京都・芝1600m)の2レースだけである。
そして、今年から弥生賞ディープインパクト記念が加わり、3例目となった。
「ナリタブライアンやシンボリルドルフには『ナリタ』や『シンボリ』といった冠名が使用されていることも影響があるのではないでしょうか。
また、今回の改称については、現役時代にクラシック三冠を含むG1・7勝の記録を残し、”種牡馬としても輝かしい実績を残した”功績を称えてと説明がされています。そう考えると確かにシービー、ルドルフ、ブライアンは三冠馬ではありますが、G1の勝利数や種牡馬としての功績となると見劣ってしまう点もあるのかもしれません」(競馬記者)
ただ、改称の基準については明確になっていないというのが実情だ。現役時代の活躍という意味ならば、「三冠馬」であることがわかりやすい目安となる。だが、シンザン以降にもミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアンがいるため、ディープインパクトだけが選ばれたのは違和感がある人も多いということなのだろう。
かつては中央でもカブトヤマ記念、クモハタ記念、セイユウ記念、タマツバキ記念、シュンエイ記念があったが、現在は廃止されている。地方競馬の場合はダイオライト記念、オグリキャップ記念、ハイセイコー記念以外も複数のレースがあり、中央に比べるとバリエーションはより多彩だ。
他にも、昨年9月には「JRAアニバーサリー」1999メモリアル・エルコンドルパサーCと2009メモリアル・ウオッカCが実施された。2004年にはJRA創立50周年のゴールデンジュビリーキャンペーンで名馬の馬名のついたメモリアルレースも行われているが、あくまでイベント的な扱いであることに変わりはない。
例外として、共同通信杯の場合はトキノミノル記念の副題がついているが、あくまで副題であり、番組表での記載は共同通信杯(トキノミノル記念)にとどまっている。一説では冠名のついている馬名だと選ばれにくいのではないかという声もあるが、トキノミノルの「トキノ」は冠名である。
現役時代はクラシック三冠を含むG1・7勝をあげた史上最強馬といわれ、種牡馬としても2012年から2019年の日本のリーディングサイアーとして君臨したディープインパクト。この功績が目安となるようなら相当高いハードルとなりそうだ。次に馬名を冠する重賞が誕生するのはまだまだ先のことかもしれない。
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