
元JRA安藤勝己「文句なしに強かった」武豊アドマイヤビルゴと過去G1級の若葉S優勝馬との活躍を予感させる共通点
21日、土曜阪神では皐月賞トライアル・若葉S(L)が行われ、武豊騎手の1番人気アドマイヤビルゴ(牡3、栗東・友道康夫厩舎)が勝利した。3番手から上がり最速33秒6で抜け出すセンスを見せ、クラシック候補として期待が高まった。
デビュー戦は、破った2着フアナ、3着フィニステールが、ともに次走の未勝利を快勝したようにハイレベルだった。434キロでデビューして若葉Sでは430キロで出走と、牡馬にしては小柄な馬のさらなる成長に期待したい。
元JRAの安藤勝己氏は自身のTwitterで「課題は成長力と、乗り役の調整でしょ。色んな面で、王道組をまだ上に見とる」、とトップクラスの馬との比較は明言することは避けた。一方で「アドマイヤビルゴね。正直、思っとった以上に完成度が高くて走る。時計も優秀やし、文句なしに強かった」と同馬の強さを高く評価した。
鮮やかな勝利を飾った若葉Sの内容には今後の活躍を予感させるデータがある。
アドマイヤビルゴが若葉Sで計時した1分58秒6の勝ち時計は11年ダノンミルの1分59秒1を0.5秒上回る過去10年で最速となる。さらに上がり3Fでもまた、2位の14年アドマイヤデウスの34秒9を大幅に上回る33秒6だった。
この時点で既に勝ち時計、上がり3Fは、いずれも過去10年で最速である。プラスアルファで注目したいのが、レースの上がり3Fより自身の上がり3Fが1.1秒以上速かった馬の顔触れだ。これも過去10年で今年のアドマイヤビルゴを含めて3頭しかいない。
残り2頭は12年の皐月賞(G1)を2着のワールドエースと10年の秋の天皇賞(G1)の2着ペルーサだ。いずれもクラシック候補として活躍し、G1で連対実績のある実力馬である。
アドマイヤビルゴに騎乗した武豊騎手は、「強かったですね。今日は返し馬から前走とは違いましたし、道中もいい感じで反応は良かったです」と、デビュー戦からの成長に触れている。
また、「全身を使えるようになっていましたし、まだどんどん良くなりそうで本当にいい馬です。クラシックを狙える馬だと思います」と絶賛している。過去、多くの名馬の背中を知るレジェンドから「クラシック」の言葉が出たことには注目だ。
「武騎手は先日のディープインパクト記念(G2)を勝ったサトノフラッグで勝利した際も、同馬の能力を非常に高く評価していました。
すでにマイラプソディとのコンビで皐月賞へ向かうことが決まっているとはいえ、アドマイヤビルゴも故・近藤利一オーナーから託された馬です。自分が乗ることができないのは、複雑な気持ちでしょうね」(競馬記者)
レジェンド騎手二人から高く評価され、過去10年で勝ち時計、上がり3Fいずれも最速だったことで、アドマイヤビルゴの今後には大きな期待がかかる。未定とされている皐月賞(G1)の鞍上の行方にも注目したい。
PICK UP
Ranking
17:30更新「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 名コンビ・吉田隼人×ソダシは「なぜ」解散に至ったのか。D.レーン→川田将雅「勝利至上主義」に走った陣営の裏事情
- 巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA石橋脩ブチギレ騒動……馬質向上の裏で苦悩も?
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 「オグリキャップ負けた」が話題となった宝塚記念…悲運の鞍上は武豊と同世代、勝ち馬の騎手は後に競馬界から追放のショック【競馬クロニクル 第60回】
関連記事
JRA「6億円」アドマイヤビルゴ若葉S(L)完勝!武豊「 クラシックを狙える馬」皐月賞(G1)有力候補浮上も「鞍上」は……
JRA武豊「6億円ホース」アドマイヤビルゴ皐月賞(G1)最後の切符獲りへ!若葉S(L)と「復活」名コンビに意外な相性が……
JRA武豊「6億円」アドマイヤビルゴ「次走」はあのレース? 近藤利一オーナーと10年間確執も「遺志」によりコンビ復活
JRA武豊、約10年ぶり「アドマイヤ」騎乗! 「6億円」超良血アドマイヤビルゴ堂々デビューで黄金コンビ復活
JRA・L.ヒューイットソン「非常に光栄」スプリングS(G2)で重賞初制覇! 皐月賞へ「2000mが限界かな」伏兵ガロアクリークが「不安」を残す理由