【JRA天皇賞】武豊・横山典弘「長距離の名手」は迷信!? 急上昇は意外な「あの騎手」
◎通常の成績よりも高くなった騎手
池添謙一
勝率7.1⇒ 10.1%・連対率18.5⇒ 20.3%・複勝率26.8⇒ 22.0%
クリストフ・ルメール
勝率28.2%⇒ 30.3%・連対率42.7⇒ 44.3%・複勝率55.9⇒ 59.5%
木幡巧也
勝率3.9⇒ 11.4%・連対率10.3⇒ 20.0%・複勝率15.1⇒ 28.6%
ルメール騎手は勝率が30%に上がり、さらに連対率も複勝率もアップと、すべてでプラスとなっている。さすが世界で活躍してきた名手といえるだろう。池添騎手は複勝率は下がるものの、勝率と連対率がアップ。
そして、木幡巧騎手だ。まだデビュー5年目で2016年以降の成績だが、勝率は倍以上で連対率もほぼ2倍、複勝率も大幅にアップと文句なし。そして勝率はデムーロや川田、横山典弘といったトップジョッキーを上回っているのだから、立派な数字だ。
△通常の成績と大きな差がない騎手
藤岡康太
勝率7.8⇒ 8.3%・連対率17.1⇒ 19.4%・複勝率26.3⇒ 29.2%
松若風馬
勝率5.3⇒ 5.6%・連対率11.9⇒ 18.9%・複勝率16.5⇒ 30.2%
浜中俊
勝率7.9⇒ 8.8%・連対率11.4⇒ 11.8%・複勝率19.3⇒ 17.6%
岩田望来
勝率9.1⇒ 14.3%・連対率19.0⇒ 14.3%・複勝率27.0⇒ 14.3%
和田竜二
勝率10.0⇒ 8.1%・連対率13.3⇒ 20.7%・複勝率23.3⇒ 27.7%
長距離戦であっても通常とあまり差がないのはプラスだが、このあたりは2着や3着に穴馬を連れてくるイメージかも。ただし松若騎手の複勝率30%超えは、騎乗馬の質を考えればなかなかのもの。なお岩田望騎手は2019年デビューでまだ経験が乏しくデータ的にも参考程度。今後に期待の若手騎手だ。
×通常の成績よりも低くなった騎手
川田将雅
勝率31.4⇒ 9.0%・連対率48.6⇒ 18.1%・複勝率60.5⇒ 31.8%
横山典弘
勝率12.8⇒ 10.9%・連対率22.7⇒ 16.4%・複勝率32.6⇒ 30.9%
北村友一
勝率5.3⇒ 2.0%・連対率16.0⇒ 10.0%・複勝率30.7⇒ 28.0%
武豊
勝率19.0⇒ 16.7%・連対率31.8⇒ 27.1%・複勝率40.9⇒ 35.4%
幸英明
勝率7.4⇒ 5.7%・連対率13.4⇒ 11.4%・複勝率25.5⇒ 14.3%
ミルコ・デムーロ
勝率14.6⇒ 9.1%・連対率23.2⇒ 22.7%・複勝率35.9⇒ 29.5%
やはり川田の低迷は突出している。勝率は約3分の1で連対率も半分以下、複勝率も大幅ダウンで見るべきところがない。冒頭で解説したように、重賞は2010年以降勝利していないし、地元関西でも天皇賞春【0・0・0・12】、阪神大賞典【0・1・1・6】という成績だから、やはり長距離戦は割り引かざるを得ない。
全体的に騎乗数も少なめで、これも関係者が適性を踏まえて騎乗を依頼していないことが想定される。さらに北村友一も衝撃的な数字だ。なんと2015年以降、芝2500mではわずか1勝しかしていないのだ。連対率と複勝率はまずまずだが、勝てていないという現実は重い。さらに武豊や横山典弘、デムーロといったトップジョッキーも成績はダウン。彼らは天皇賞・春や菊花賞の勝利などで長距離戦に強いというイメージがあるが、成績で判断するなら真逆と言えよう。
このように、条件を絞って様々な視点でデータを検証すると、今まで見えなかったことに気付くことが多い。騎手の長距離適性から今回の天皇賞・春を狙うなら、ルメールのフィエールマンを本命に池添のモズベッロが相手1番手、そして穴馬に木幡のミライヘノツバサや松若のダンビュライトが面白いといえそうだ。
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