JRAオルフェーヴルやモーリスも越えられなかった「G1・7勝」の壁! アーモンドアイはヴィクトリアマイル(G1)で偉業達成なるか
17日、東京競馬場で行われるヴィクトリアマイル(G1)に出走するアーモンドアイ(牝5、美浦・国枝栄厩舎)には、G1最多勝更新への大きな期待もかかっている。同馬の現在のG1勝利数は6勝、同レースを勝利すれば偉大な先輩に並ぶG1・7勝目となる。
日本の競馬史上、G1の最多勝利(海外G1含む)は7勝であり、これを達成した馬は6頭いる。テイエムオペラオー、キタサンブラック、ジェンティルドンナ、ディープインパクト、シンボリルドルフ、ウオッカと錚々たる面々だ。アーモンドアイはG1をあと1勝できればこれに並ぶことができる。
だが、「7勝の壁」がそれほど薄くないことも、これに挑戦した「6勝馬」の顔触れからもわかる。その顔触れはオルフェーヴル、ブエナビスタ、ゴールドシップ、モーリス、ロードカナロアとアーモンドアイを含めて6頭いる。
そして、本格化前の高松宮記念(G1)を敗れて7勝を逃したロードカナロアはある程度は仕方がない部分があるとしても、他の馬は、確勝を期して臨んだレースで敗れるという共通点があった。
オルフェーヴルは凱旋門賞(G1)を2年連続で1番人気に支持されたが、12年は伏兵ソレミアの激走に不覚を取り、13年は世界的名馬トレヴの前に5馬身差の大敗を喫した。また、12年のジャパンC(G1)では当時3歳のジェンティルドンナにハナ差で敗れ、7勝に届かずに現役生活を終えた。
ブエナビスタは09年のエリザベス女王杯(G1)を俗にいう行った行ったの展開で脚を余して3着に敗れ、11年のヴィクトリアマイルでは1歳下の3冠牝馬アパパネの2着に敗れるなど惜敗が多かった。
ゴールドシップは15年の宝塚記念(G1)で世紀に残る大出遅れを犯して15着に敗れ、モーリスは16年の安田記念(G1)でロゴタイプの逃げ切りを許した。
こうしてみると凱旋門賞以外は、国内G1で圧倒的な支持を受けていたレースを敗戦しており、G1・7勝がいかに偉業であるかもわかる内容である。
「ドバイ国際競走が中止になったとはいえ、昨年使った安田記念ではなくヴィクトリアマイルを選んだことは、G1最多勝記録の更新を視野に入れている公算が高いでしょうね。これを勝って、まずは7勝を手に入れたら次に目指すのは8勝です。8勝ともなればJRA史上でも、まだどの馬も達成したことがない大記録になります。
順調なら昨年同様、秋に2戦くらいは出走するでしょう。もしも陣営の目論み通りに進めば、8勝や9勝も夢ではありませんが、何があっても驚けないのが競馬の怖さでもあります。昨年の安田記念や有馬記念の敗戦にしても、想定外だったことは否めません」(競馬記者)
今年のヴィクトリアマイルでアーモンドアイが、圧倒的な支持を受けることはほぼ間違いない。過去にはウオッカやブエナビスタらの女傑でさえ、2着に敗れたこともあるレースだ。
アーモンドアイにとっては与しやすい牝馬相手のレースを選んだことは、吉と出るか凶と出るか。
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