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JRA M.デムーロに復活の兆し! かつての「G1ハンター」が勝負強さを取り戻した「舞台裏」とは……

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 10日、東京競馬場で行われたNHKマイルC(G1)を9番人気ラウダシオンで制し、勝負強さを見せたM.デムーロ騎手。普段から「勝ちたい気持ちが強い」と勝利への強い執着を公言している名手の読みが冴えた好騎乗だった。

 NHKマイルCは1番人気レシステンシアにはC.ルメール騎手、4番人気ルフトシュトロームにはD.レーン騎手が騎乗していたが、デムーロ騎手のラウダシオンは9番人気と伏兵の扱いだった。

 最近は以前に比べて人気馬の騎乗も減り、昨年のG1勝利はNHKマイルCのアドマイヤマーズとオークス(G1)のラヴズオンリーユーの2勝にとどまった。一般的にはこれでも十分かもしれないが、デムーロ騎手が2015年のJRA所属となってから最低の勝利数である。かつて、G1で無類の勝負強さを見せていた姿からは、物足りない現状だった。

 それだけに、今回の勝利はデムーロ騎手にとっても健在ぶりをアピールするには絶好の機会だったといえるだろう。

 レース後、「今日の馬場では後ろが伸びないので、前の方で考えていました」とコメントしていたように、前の馬が残る傾向にあった東京の芝コースの状態を把握した上での好判断が最高の結果を導いた。ラウダシオンを管理する斉藤崇史調教師も「ジョッキーも先週、今週と追い切りに乗ってこの馬のことを分かってくれていました」と満点騎乗だったと評価した。

「完全にデムーロ騎手にやられました。レシステンシアの単騎逃げが明白で、誰が番手につけてプレッシャーを与えるかと考えていたのですが、他の騎手は1番人気が楽に逃げても自身の馬の折り合いに専念していました。

 対してデムーロ騎手はレシステンシアに楽な競馬をさせないという執念、勝ちに対する気持ちが他とは違いました。大阪杯(G1)のラッキーライラックもそうですが、ここぞという時の勝負強さを発揮しましたね」(競馬記者)

 また、今回のデムーロ騎手の勝利には環境の変化も大きく影響があったようだ。

「エージェントと何度も揉めたり、私生活にも変化がありました。そして、関東に籍を置いたりと悩んでいた様子でしたが、最近はようやく落ち着きを取り戻しつつあります。今のエージェントとは凄くコミュニケーションを取っていて、デムーロ騎手も精神的な波が小さくなりました。

 成績を落としたデムーロ騎手にも『しばらくは以前のような馬質は揃わないが、腐らないで頑張って欲しい』と気遣い、彼のメンタルを考えてあまりに勝負にならなそうな馬は断っているようです。デムーロ騎手も今の状況を受け入れ、覚悟を決めてやっているように見受けられます」(別の記者)

 デムーロ騎手といえば、2017年に春のオークス(G1)から秋のマイルCS(G1)まで10戦連続でJRA・G1入着の大記録を作った「G1ハンター」だ。今週開催されるヴィクトリアマイル(G1)は、昨年のオークスを優勝したラヴズオンリーユーとのコンビで挑む。

 かつての輝きを取り戻しつつある現在のデムーロ騎手なら、アーモンドアイの7冠阻止をやってのける可能性は十分にあるかもしれない。

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