
JRA安田記念(G1)武豊ウオッカ「ドキドキさせてすみません」絶体絶命の前が壁! ヴィクトリアマイル(G1)アーモンドアイ4馬身を上回る7馬身差で挑んだ2009年

今年の安田記念(G1)で史上初の8冠に挑戦するアーモンドアイは前走のヴィクトリアマイルをノーステッキで4馬身差の大楽勝で飾った。
主戦・C.ルメール騎手は3着に敗れた昨年のリベンジをリクエスト、管理する国枝栄調教師もダメージはないとゴーサイン。これまで最短でも「中6週」で使われていたアーモンドアイとしても自身のキャリアで最短となる異例の「中2週」で安田記念の参戦となった。
過去、ヴィクトリアマイル優勝から安田記念に出走し、いずれも勝利を飾ったのはウオッカしかいない。今回は11年前の同レースに思いを馳せたい。
2009年のウオッカは3月にドバイのジュベルハッタ(G2・現G1)を5着、ドバイデューティーF(G1・現ドバイターフ)を7着と連敗したものの、国内復帰戦のヴィクトリアマイルは牝馬限定のG1ということもあり、単勝オッズ1.7倍の1番人気に推された。
今年、アーモンドアイは2着サウンドキアラに「4馬身差」で勝利したが、ウオッカはそれをさらに上回る「7馬身差」で制する圧倒的なパフォーマンスを披露した。
ドバイで連敗した不安を払拭する圧巻の走りに、続く安田記念でもファンは単勝オッズ1.8倍の断然人気に支持をした。ウオッカが絶対の安定感を誇る東京競馬場ということもさらに人気に拍車をかけることになったのだろう。
だが、レースでは2枠3番から絶好のスタートを決めたものの、鞍上武豊の絶対の自信が裏目に出た。前半3Fが33秒4と激しい先行争いに巻き込まれるのを避ける判断もあったか安全策を取って追い出しを我慢したのだ。
ハイペースな流れにもかかわらず直線では、馬群が一団となり密集したため、十分なスペースを確保できなかったどころか、ローレルゲレイロとコンゴウリキシオーの2頭の間に唯一開いた進路も一足先に追い出したディープスカイに奪われた。ウオッカは十分な手応えがありながら前が壁となる絶体絶命の大ピンチを迎えた。
スルスルと抜け出したディープスカイに対し、ようやくアルマダとスーパーホーネットの間にスペースを見つけたウオッカが、張り詰めた弓から放たれた矢のごとく猛追を見せる。四位洋文騎手が懸命に追って粘り込みを図るディープスカイに一気に並びかけると楽な手応えのまま交わし去った。
完璧なレースをしたディープスカイにとっては悪夢にも思えるような凄まじい切れを見せたウオッカ。底知れない恐ろしさすら感じる走りだったといえるだろう。
そのあまりの強さに、敗れたディープスカイの四位騎手は「あの形で負けたのなら仕方ない」と完敗を認め、「向こうは残り100mくらいしか仕掛けていない。まともだったら5、6馬身は離されていたかもしれない」とかつてのお手馬を称えた。
これに最も驚いたのは手綱を取った武豊騎手だろう。レース後には「下手でしたね。ストライドを伸ばしたのは最後の1Fを切ってからだった。きょうは馬をほめてほしい」と、さしものレジェンドもこの勝利は「馬に助けてもらった」と反省したほどだ。
PICK UP
Ranking
5:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
宝塚記念(G1)団野大成「謎降板」に関西若手のエースが関係!? 武豊の不可解な登場と突然のフリー発表…関係者を激怒させた「素行不良」の舞台裏
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 未勝利ルーキーが「深刻理由」で乗鞍激減!?度重なる失態に師匠からはお灸、エージェントも契約解除の大ピンチ
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【阪神C(G2)展望】武豊“マジック”でナムラクレア、ママコチャを破った重賞馬が待望の復帰戦! 短距離界の有馬記念に豪華メンバーが集結
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆
関連記事
JRAアーモンドアイ「ヴィクトリアマイル→安田記念」は“デスロード”!「G1・8勝」が困難な理由とは
JRA「目には目を」打倒アーモンドアイに効果抜群!? ダノックスはG1連敗ストップに背水の陣!? 今年のG1でライバル陣営が見せたノーザン対策とは
JRA武豊「安田記念不参加」は大正解!? ルメール「昨年は大変なことに……」歴史的アクシデントの張本人へ、アーモンドアイ陣営からの“口撃”で針の筵
JRA 好調・横山典弘騎手に「玉砕」指令!? 安田記念(G1)ノームコア池谷誠一オーナーから粋なエール
JRA安田記念(G1)ダノンプレミアム昨年“タックル被害”のリベンジへ! 海外遠征、D.レーン効果で「リスグラシュー化」なるか