JRA・CBC賞(G3)前年覇者に「黄色信号」!? レッドアンシェル「11連続馬券圏内」条件も、前走惨敗の原因は……
5日(日)、阪神競馬場ではCBC賞(G3)が開催される。昨年の覇者レッドアンシェル(牡6歳、栗東・庄野靖志厩舎)が出走を予定しているが、近2走は18着、11着と不可解な敗戦が続き、連覇には状態面がカギとなりそうだ。
前走の京王杯SC(G2)後は、ノーザンファームしがらきに放牧に出され、帰厩したのがレース2週間半前の6月17日。坂路では速い時計を何本か出しているが、急仕上げ感は否めない。
「1週前追い切りでは、栗東坂路で一杯に追われ、50秒4-12秒2というその日の“2番時計”をたたき出しました。帰厩時は余裕のある体つきだったようですが、このひと追いである程度中身も変わってくるのではないでしょうか」(競馬誌ライター)
レースまでの間隔は短いが、何とかレースに向けて仕上げは間に合ったようだ。ただし、今年は中京競馬場ではなく、阪神競馬場で開催される点を不安視する声もある。
「昨年の(中京での)勝ち方を見れば、コース替わりはマイナスにも見えますが、キャリア17戦中13戦を右回りで走っています。阪神でも『1-1-2-1』なので、逆に阪神でパフォーマンスを上げる可能性もあると思います。むしろ心配なのは、フルゲートに近い頭数がそろう点ですね」(同)
レッドアンシェルは、これまでの成績から明らかに多頭数の競馬は得意ではない。14頭以下のレースでは「5-2-4-1」で、馬券圏内率91.7%をマーク。それに対し、15頭以上のレースは「0-0-0-5」と一度も馬券に絡んでいない。今年のCBC賞には18頭が登録されており、レッドアンシェルにとって“凡走パターン”にあたる15頭以上の出走はまず間違いないところ。
注目したいのが、13頭立てだったにもかかわらず、11着に惨敗した前走の京王杯SCだ。
「レッドアンシェルにとって、14頭以下のレースはデビューから11戦連続3着以内でしたが、(前走は)直線伸びず11着に敗れました。よほど調子が悪いか、年齢による衰えが原因ではないでしょうか。この兄弟は総じて5歳夏以降にパタッと成長が止まる傾向にあるので、この馬もすでにピークを過ぎている可能性が高いです」(同)
自身を含めて、これまでこの兄弟は8頭がJRAで走っているが、5歳7月以降の8頭合わせた成績は「0-1-0-22」とさっぱり。5歳6月までは「15-10-14-63」(勝率14.7%、連対率24.5%、複勝率38.2%)、5歳の1~6月も「3-2-2-10」(勝率17.6%、連対率29.4%、複勝率41.2%)なので、5歳夏で燃え尽きることが数字にも表れている。ちなみに、昨年のCBC賞は“期限ぎりぎり”、6月30日に行われた。
ハンデ戦も得意とは言えず、いずれも重い斤量を背負わされており、「1-0-2-2」の成績。1番人気が4回、2番人気が1回で、着順はすべて人気以下だった。6月30日現在、『netkeiba.com』の予想オッズでは4番人気に支持されているが、このデータから3着以上は厳しいといえるかもしれない。
「急仕上げ」、「多頭数」、「年齢による衰え」、「ハンデ戦」……。レッドアンシェルが乗り越えるべき壁は少なくない。
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