
JRA「ゴリラ愛」名物調教師が得意の“強行ローテ”! 函館記念(G3)トーラスジェミニは厩舎に9年ぶり重賞Vをもたらすか
19日の函館競馬場では、サマー2000シリーズ第2弾の函館記念(G3)が行われる。巴賞(OP)を楽々逃げ切ったトーラスジェミニ(牡4歳、美浦・小桧山悟厩舎)が北の大地で連勝を狙い、出走する。
4歳夏を迎え、充実一途のトーラスジェミニ。2走前のエプソムC(G3)では、しんがり18番人気ながら3着に逃げ粘り、3連単400万円超えの高配当を演出した。函館に移動し、中2週で臨んだ巴賞を快勝後、今度は中1週で重賞初制覇に挑む。
小桧山厩舎にとって重賞制覇は2011年2月にスマイルジャックで制した東京新聞杯(G3)以来、9年越しの悲願でもある。小桧山調教師といえば、16年にゴリラの写真集を出版した自他ともに認めるゴリラ愛好家。親の都合で学生時代をナイジェリアで過ごした際に、学校近くの動物園ですっかりゴリラの虜になったというエピソードは競馬界で知らない者はいないほど。競馬誌『優駿』『競馬ブック』での連載をまとめた『馬を巡る旅』というシリーズ本も出版しており、調教師と著者の“二刀流”である。
本業の調教師としては、ハードなローテーションを用いることで知られる。2018年以降、管理馬を連闘させた回数は全国トップの84回にも上る。しかし、結果は「0-0-0-84」と惨憺たるもの。ちなみに2位は“連闘の達人”、矢作芳人調教師で78回。こちらは「6-4-7-61」としっかり結果を残している。
「小桧山厩舎はとにかくレースを使って馬に競馬を教え込む方針の厩舎です。ここ数年は連闘では結果を残せていませんが、中1~2週なら成績は安定していますよ。トーラスジェミニも2歳夏のデビューから5か月間で実に9戦をこなしましたが、連闘は一度もなく、ほとんどが中1週での競馬でした。中1~2週は小桧山厩舎にとって黄金ローテと言っていいと思います」(競馬誌ライター)
その言葉通り、小桧山厩舎は中1~2週で好成績を残している。
【小桧山厩舎のレース間隔別成績、2018年以降】
連闘 0-0-0-84(0.0%/0.0%/0.0%)
中1週 7-3-9-158(4.0%/5.6%/10.7%)
中2週 9-5-3-94(8.1%/12.6%/15.3%)
中3週以上 2-6-12-337(0.6%/2.2%/5.6%)
※カッコ内は左から勝率、連対率、複勝率
多用する連闘策では結果が伴わない小桧山厩舎だが、中1~2週だと成績は格段にアップする。逆に中3週以上空けると、勝率は0.6%まで落ち込む。トーラスジェミニは、中2週で巴賞を制し、中1週で函館記念に臨むが、厩舎が9年ぶりの重賞を手にするならまさにここしかないというローテーションだ。
エプソムCは厩舎が“苦手”としている休養明けにもかかわらず、トーラスジェミニは好走。それは同馬が地力をつけている何よりの証拠だろう。今年は193戦して2着が一度もないという小桧山厩舎。見据えるのは“勝利”の二文字だけだ。
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