JRA3連単「421万」の大万馬券! 18頭立て「最低人気」の大激走にエプソムC(G3)は阿鼻叫喚
安田記念(G1)をアーモンドアイが敗れた衝撃の余韻が残る春の東京競馬場だったが、またしても競馬ファンを狼狽させる「出来事」が起きた。
14日、日曜東京メイン・エプソムC(G3)は内田博幸騎手の9番人気ダイワキャグニーが勝利した。2着に藤井勘一郎騎手の5番人気ソーグリッタリング、3着に木幡育也騎手の18番人気トーラスジェミニが入る大波乱。3連複は73万9440円、3連単は421万9320円の大荒れとなった。
土曜から降り続いた雨の影響で東京の芝が朝から不良馬場での開催だったことも、思わぬ大穴の激走を呼ぶトリガーとなっていたかもしれない。芝のレースは6鞍が行われたものの、うち4鞍で二桁人気馬が激走し、高配当の使者となった。
切れ味を武器とする多くの人気馬が、水分をたっぷり含んだ馬場に苦しんで伸びを欠いた。その一方、積極的に前々で競馬をした馬の激走が目立ったのも顕著だった。
8R芝1600m(1勝クラス)では、前走を後方待機で惨敗していた14頭立ての「最低人気」モデレイトが野中悠太郎騎手の思い切った逃げで「圧逃」、2着馬に3馬身半差の大楽勝を決めた。
単勝オッズ「29010円」の大穴が逃げて圧勝した時点で「前にいないと競馬にならない」という「激走条件」の伏線がすでに敷かれていたのかもしれない。
そして迎えた大一番が、この日のメイン・エプソムCだ。大外の8枠16番から飛び出した18番人気トーラスジェミニが後続を3馬身ほど離して逃げ、2番手にアトミックフォース、3番手にダイワキャグニーが続いた。
不良馬場にもかかわらず、1000m通過は59秒1のハイペースとなり、先行勢には厳しい流れになると予想された。だが、直線に入って誰もが異変に気付き始めた。何とハイペースで逃げていたはずのトーラスジェミニの脚色が、残り400mを過ぎても一向に衰えないのだ。
あわや逃切りかと思われたところを並びかけたのが3番手から伸びたダイワキャグニーだった。残り200mでトーラスジェミニを交わすと先頭でゴールを駆け抜けた。そして9番人気の伏兵の勝利とともに、あっと驚く逃走劇を見せた18番人気トーラスジェミニも3着に残っていたのである。
「最低人気馬の激走が1日に2度もあったのは驚きました。しかも野中騎手と木幡育騎手という若手騎手が波乱を演出しましたからね。素晴らしかったのは2人とも押して押して主張して逃げたことです。
確かにこの日の東京は内と前にいた馬が穴をあけるケースが目立っていました。他の馬の出を窺いながらではなく、最初から何が何でも逃げるという強い意志で向かっていったことが最高の結果となったのでしょう。
どちらも穴をあけることで知られている騎手ですが、今日の激走は関係者にも大きなアピールとなったに違いありません。これからも注目したい若手ですね」(競馬記者)
18番人気馬が重賞で3着以内に入ったのは15年ヴィクトリアマイル(G1)のミナレットの3着以来5年ぶり。
ネット上では「まさかの最低人気」「これは無理」といった声も多いが、「狙ってた」「知ってた」というツワモノも……。
前残りする不良馬場、迷いのない逃げを選択した若手騎手が演出した大波乱。
もしかすると、馬券上手な人は8Rの野中騎手の逃げ残りを見て、トーラスジェミニを狙えたのかもしれない。
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