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JRAデアリングタクトの前祝いなるか!? “激安”全妹マオノジーナスに「2冠牝馬の“弟妹”は大成しない」ジンクスがのしかかる……

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 20日(日)、中山5レースの新馬戦で無敗2冠牝馬デアリングタクトの全妹マオノジーナス(牝2歳、美浦・黒岩陽一厩舎)がデビューを迎える。

 母デアリングバードは2017年から3年連続でエピファネイアの仔を産んでいて、デアリングタクトはその“長女”。2018年のセレクトセールで1296万円(税込)で取り引きされたが、僅か4戦で、取引価格の20倍近い2億4200万円(本賞金)を稼いだ孝行娘だ。

 一方、“次女”にあたるマオノジーナスは、デアリングタクトがデビューする4か月前の昨年のセレクトセールで756万円(税込)という安値で取り引きされた。もしマオノジーナスが20日のデビュー戦を勝てば、700万円の賞金を手にすることになり、この時点でオーナーはほぼ“元を取る”ことになる。ちなみに今年のセレクトセールで取り引きされた“三女”は5390万円(税込)で取り引きされた。もちろんデアリングタクトの活躍を受けての高値取引だった。

「(マオノジーナスが)756万円で取り引きされた時は、まさか全姉が無敗で牝馬2冠に輝くとは誰も考えていなかったでしょう。だからそれだけ安く取り引きされたのですが……。デアリングタクトの全妹というだけで、期待値はセリで取り引きされたころの数十倍になっていると言ってもいいでしょうね」(競馬誌ライター)

 1984年のグレード制導入後、春の牝馬クラシック2冠に輝いた馬はデアリングタクトが9頭目だ。デアリングタクト以外の8頭の直後に生まれた弟もしくは妹もマオノジーナスと同様、姉の活躍を受けてデビュー時から注目されたことは想像に難くない。しかし、姉と同じようにG1を賑わせた馬はおろか、オープンクラスに上り詰めた馬さえいないのが実情だ。

【春の牝馬2冠馬と直後に生まれた弟妹のデビュー戦成績とJRA通算成績、1984年以降】
●メジロラモーヌ(1986年)
→メジロマーリン(3番人気9着)JRA通算成績「0-0-0-3」
●マックスビューティ(1987年)
→カップアイ(2番人気2着)JRA通算成績「3-5-4-13」
●ベガ(1993年)
→フサイチルーラー(1番人気3着)JRA通算成績「3-0-4-9」
●スティルインラブ(2003年)
→ダイワネバダ(1番人気2着)JRA通算成績「2-2-2-21」
●ブエナビスタ(2009年)
→アーデルハイト(2番人気8着)JRA通算成績「0-0-0-1」
●アパパネ(2010年)
→シュガーヒル(2番人気2着)JRA通算成績「3-7-5-17」
●ジェンティルドンナ(2012年)
→トパーズ(JRAでは未出走)門別で「0-0-0-2」
●アーモンドアイ(2018年)
→ユナカイト(1番人気2着)JRA通算成績「2-3-2-5」
●デアリングタクト(2020年)
→マオノジーナス(?)

 グレード制導入後、初めて桜花賞とオークスの2冠を獲得したのは1986年のメジロラモーヌだった。その1歳下、全妹メジロマーリンは姉が3冠牝馬となってから約5か月後の3歳3月に未勝利戦でデビューを迎えた。しかし3番人気で9着に終わると、その後も2戦目の5着を最高に、3戦全て馬券圏外に敗れ、繁殖入りした。

 2年前に牝馬3冠に輝いたアーモンドアイの半妹ユナカイトも当然期待は大きく、デビュー戦では圧倒的1番人気に支持された。しかし、結果は2着。2戦目で勝ち上がり、今も現役を続けているが、2勝クラスにとどまっている。

 メジロマーリンからユナカイトまで2冠牝馬のすぐ下の弟妹はいずれもデビュー戦で敗れており、今週デビューするマオノジーナスには不吉なデータとなっている。

 デアリングタクトは来月の秋華賞で史上初の無敗牝馬3冠を狙う。マオノジーナスは、偉大な姉に前祝いを贈り、自身も出世街道に乗ることはできるだろうか。ただし、元は756万円という安値で取り引きされた馬。これまでの2冠牝馬の弟妹と同じように過度な期待は禁物かもしれない。

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