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疑惑の王者マキシマムセキュリティが引退発表!! 人間の都合に振り回された波乱に満ちた馬生

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『波乱に満ちたキャリア』とは、まさにこの馬のためにある言葉かもしれない。

 米G1・4勝を挙げたマキシマムセキュリティ(牡4、米・B.バファート厩舎)が、現役を引退し、種牡馬入りすると、複数の海外メディアが報じている。

 マキシマムセキュリティは、アメリカのJ.サーヴィス厩舎から2018年12月にデビュー。このデビュー戦は出走馬を公示された価格で買うことができるクレーミングレースだった。買い手はいなかったものの、マキシマムセキュリティに付けられていた値段は破格の約180万円。このことを知っていた人は、後に臍を噛んで悔しがることになる。

 その後、ゲイリー・ウエスト氏に所有されることになったマキシマムセキュリティは、重賞初挑戦となるフロリダダービー(G1)で2着に3馬身半差を付けて優勝するなど無傷の4連勝。デビュー時の低評価を覆し、アメリカクラシック3冠の第1戦であるケンタッキーダービーでも有力視される存在となっていた。

 そして迎えた3冠初戦。強い降雨の影響で泥田のような馬場の中で行われたレースで、マキシマムセキュリティは1角から先頭に立つとそのままトップでゴール。圧巻の内容で無敗のダービー馬がまた1頭誕生!……したかと思われたが、この結果にライバルたちから“物言い”が付いた。

 他陣営はマキシマムセキュリティが第4コーナーを回る際に大きく膨らんだため、進路を妨げられたと異議申し立て。約20分にも渡る審議の末に、マキシマムセキュリティは降着(17着)という判定が下され、2位入線のカントリーハウスが繰り上がって優勝となった。だが、ケンタッキーダービー史上初の事態に、マキシマムセキュリティのオーナーが激怒。法的に訴えることも示唆し、さらにファンからも賛否両論が寄せられるなど、後味の悪さが目立つ幕引きとなった。

 その後、マキシマムセキュリティは米クラシック3冠路線から距離を置き、ハスケル招待ステークス、シガーマイルハンデキャップのふたつのG1レースを制するなど活躍。同年でG1・3勝を挙げた功績が認められ、エクリプス賞最優秀3歳牡馬を受賞した。

 結果を残し、ケンタッキーダービー降着のネガティブなイメージを払拭したマキシマムセキュリティ。同馬の2020年は優勝賞金1000万ドル(約11億円)と世界最高賞金で新設されたサウジカップからスタート。日本からもゴールドドリーム、クリソベリルらが参戦するなど、世界トップレベルのメンバーが集結した1戦で、マキシマムセキュリティは好位追走から残り100mで先頭に立つと、そのまま押し切り勝ち。さすがの強さを発揮した。

 だがレース後に、今度は競走馬にではなく人間に“物言い”が付いた。管理するサーヴィス師ら、複数の競馬関係者が馬に対するドーピング容疑で起訴されたのだ。このため、マキシマムセキュリティのオーナーサイドは、B.バファート厩舎に移籍を発表。さらにサウジカップの賞金支払いが保留になるなど、他陣営にも大きな影響を及ぼすことになる。

 またしてもゴタゴタに巻き込まれたマキシマムセキュリティは、サウジカップから約5カ月後のサンディエゴハンデキャップ(G2)で復帰を発表。これまでと遜色ない走りを見せて勝利すると、続けてパシフィッククラシック(G1)も優勝。だが、オーサムアゲインステークス(G1)で久しぶりに勝利を逃すと、今月開催されたブリーダーズカップクラシック(G1)では5着と、降着以外では初めて連対を逃していた。

 さまざまな騒動に巻き込まれながらも見事な走りを見せてくれたマキシマムセキュリティ。種牡馬入り後は現役時代とは違い、平穏無事なキャリアを送ってもらいたいものだ。

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