
JRA有馬記念(G1)史上最大「9馬身差」シンボリクリスエス衝撃ラストラン! 藤沢和雄調教師「今までで一番強いレース」…… デアリングタクトの祖父が旅立つ
先日はスイープトウショウが亡くなったばかりだが、有馬記念(G1)を前にまた悲しい報せが入った。
G1・4勝を挙げ、2002年と03年の年度代表馬に選出されたシンボリクリスエスが、繋養先のシンボリ牧場(千葉県成田市)で蹄葉炎によって亡くなったことが9日、JRAの発表により分かった。昨年、種牡馬を引退し21歳になった同馬は、シンボリ牧場で余生を送っていた。
種牡馬としてもサクセスブロッケン、ストロングリターン、アルフレード、エピファネイア、ルヴァンスレーヴなどを輩出。また、代表産駒の1頭であるエピファネイアからは牝馬で史上初となる無敗の三冠を達成したデアリングタクトが誕生した。
芝・ダートのいずれも適性を見せた上、短距離から長距離と適性距離も幅広くオールラウンダーな活躍を見せたように種牡馬としても超一流の成績を残した馬である。
現役時代、シンボリクリスエスが勝利したG1レースの中で最も衝撃的だったのが、引退レースとなった03年の有馬記念だろう。
この年、秋の天皇賞をレコード勝ちして臨んだジャパンC(G1)では単勝1.9倍の1番人気に支持されたが、重馬場を味方につけたタップダンスシチーの前に3着。2着に入ったザッツザプレンティをも捕らえ切れない9馬身差という屈辱を味わった。
引退レースとなった次走の有馬記念でシンボリクリスエス陣営は後方からの競馬で不完全燃焼に終わった前走の教訓を生かし、意地とプライドを懸けた積極策でライバルを徹底的にマーク。ハイペースを早めに追い上げると直線であっさりと抜け出して後は独走劇。後続との差は開く一方で、ゴール板を通過したときには2着に入ったリンカーンを9馬身も置き去りにしていた。
前走で先着を許したタップダンスシチーは8着、ザッツザプレンティは11着と大敗。まさに倍返しどころか3倍返しのリベンジといえる。これだけの圧勝を決めながらもレース後、O.ペリエ騎手は「楽な競馬でした」と振り返り、管理する藤沢和雄調教師は「今までで一番強いレースができました」と舌を巻いたのも頷ける。
「3着のゼンノロブロイは同じ藤沢厩舎の馬でした。翌年にはシンボリクリスエスでさえ成し得なかった秋古馬三冠を達成したように後継者としても立派な結果を残しました。そんな馬を千切り捨てたのもどれだけ強かったかの証明にもなりますね。藤沢厩舎全盛期の象徴ともいえるバトンタッチだったと思います」(競馬記者)
シンボリクリスエスの逝去は残念ではあるが、後継種牡馬としてもエピファネイアがブレイク、来年の種牡馬入りが決定しているルヴァンスレーヴもスタンバイしているようにその血は脈々と受け継がれていくことだろう。
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