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JRA「125戦全敗」白毛馬ソダシはあの“限界説”を越えられるか……デアリングタクトに続く「無敗3冠牝馬」誕生へ暗雲

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 2020年、JRAは多くの記録達成に沸いた。天皇賞・秋(G1)では、アーモンドアイが芝G1の歴代最多勝利記録を更新。3歳クラシック路線では牡馬、牝馬ともに無敗の3冠馬が誕生した。

 ハイライトは、ジャパンC(G1)でアーモンドアイと無敗の3冠馬2頭がぶつかったことだろう。2020年のJRAは、まさに後世に語り継がれる1年となった。もし、ちょうど1年前に無敗の3冠馬が2頭も誕生すると聞かされても、誰も耳を貸さなかっただろう。それくらいの偉業が生まれた年だった。

 さて、年が明けて、2021年の3歳世代にも3冠を狙える逸材がいる。

 牡馬ではもちろん、ホープフルS(G1)を制したダノンザキッドが筆頭候補だ。一方、牝馬では、デビュー4連勝で阪神JF(G1)を制した白毛馬のソダシが、完成度という点で同世代の牝馬たちを一歩リードしている。

 桜花賞(G1)と同じ舞台でサトノレイナス以下を破り、現時点では間違いなく桜花賞の最有力候補である。そのソダシにとって大きな壁はオークス(G1)ということになりそうだ。

「(昨年の)デアリングタクトは1600mから2400mへの800mの距離延長をあっさりこなし、ジャパンCでもコントレイルと僅差の3着に好走しました。父は菊花賞(G1)とジャパンC(G1)を制したエピファネイアですから、今思えば、マイル戦の桜花賞が最も適していなかったのではないでしょうか。それでも極悪馬場のなか快勝しました。

一方、ソダシの父はクロフネです。クロフネ産駒といえば、芝・ダート兼用というイメージで、特に牝馬は芝の重賞馬が多数出ています。ただしクロフネ産駒の最大の弱点が距離です」(競馬記者)

 これまで、クロフネ産駒はソダシを含め7頭が芝のG1を制し、18頭が芝重賞を勝っている。ただし、いまだに距離の“限界説”だけは払拭できていない。

「クロフネは、コンスタントに重賞級の産駒を輩出し、これまで18頭が合計36もの芝重賞レースを制覇しています。しかし、芝2000m以上の重賞を勝った産駒はいまだいません。1800m(の重賞)は8勝していますが、2000m以上は125戦して、勝ち鞍はゼロ。G1でも、41戦して3着が4回あるだけです」(同)

 クロフネ産駒が2000m以上のG1制覇に最も近づいたのは、2011年のオークス。桜花賞2着から参戦したホエールキャプチャが追い込んだが、勝ったエリンコートから「クビ+ハナ」差の3着に敗れた。その後は秋華賞(G1)で1番人気に支持されるも、ここでも3着に敗れ、距離の壁に跳ね返された。

 もしクロフネ産駒に芝2000mの距離限界説があるなら、ソダシのオークスと秋華賞には暗雲が漂い、3冠どころか桜花賞制覇が精いっぱいなのかもしれない。しかし、ソダシはすでに1800mの札幌2歳S(G3)を牡馬相手に制覇。これまでの走りから2000m以上の距離もこなして不思議はない。

 現時点で2年連続の無敗女王誕生は夢物語に近いかもしれない。それでも2020年は、そんなあり得ない快挙が幾つも起こった。ソダシは、クロフネ産駒の距離限界説をあっさり乗り越えてくれるのではないだろうか。

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