JRA「凋落」M.デムーロを熱烈支援!? 堀厩舎に見限られるも、回収率100%超えの裏に意外な厩舎あり!? 成績低迷と同時に始まった絆
今年最初のG1・フェブラリーSはカフェファラオ(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)の優勝で幕を閉じた。
C.ルメール騎手は堀厩舎の管理馬でG1初勝利。調教の段階からピークチーシーズの着用を検討するなど、騎手と厩舎の密な関係性により勝ち取ったタイトルと言えるだろう。
ここ最近、堀厩舎とルメール騎手が急接近しているように感じているファンも多いのではないだろうか。昨年の札幌記念(G2)でポンデザールに騎乗したルメール騎手だが、堀厩舎の管理馬で重賞に挑むのは18年の天皇賞・春(G1)でアルバートに騎乗して以来、2年4か月ぶりだった。
その後は、カフェファラオや毎日王冠(G2)でサリオスに騎乗するなど、「ルメール×堀宣行」コンビは大活躍している。
この裏には堀厩舎の主戦騎手交代があった。
「これまで堀厩舎は石橋脩騎手とM.デムーロ騎手を多く起用していました。しかし、今年に入ってデムーロ騎手を一度も使っていません。その替わりにルメール騎手の起用が目立っているというわけです。
昨年のマイルCS(G1)でデムーロ騎手はサリオスに騎乗して5着に敗れたことが降板の原因ではないかとも囁かれていますが、近年の成績が不振ということを考えれば仕方ないかもしれませんね」(競馬記者)
2015年にJRA通年免許を取得して以降、毎年100勝以上していたデムーロ騎手。だが、19年に初めて100勝を下回り、昨年は65勝まで急降下した。重賞勝利数も「11→13→18→15→3→4」と、19年を境に低迷している。かつてG1を沸かせた名手は窮地に追い込まれているようだ。
だが、今年のデムーロ騎手は一味違うかもしれない。
これまでの成績は[8-10-9-38]で、勝率が12.3%、複勝率が41.5%とまずまずの結果である。勝ち星は全国リーディング20位タイと物足りない数字だが、単勝回収率が112%、複勝回収率が147%の好成績を記録。10番人気で3回2着に入るなど、人気薄の馬を馬券圏内に導いている。
堀厩舎に“見限られた”デムーロ騎手だが、奮闘している背景には金成貴史調教師の存在が大きいだろう。
今年、デムーロ騎手は金成厩舎の管理馬で2勝。騎乗回数も7回で、最も多くコンビを組んでいる。
実は、金成厩舎との関係性は今年から始まったものではない。
●デムーロ騎手×金成厩舎の成績
18年 [1-0-0-0/1]
19年 [4-2-2-8/16]
20年 [5-0-4-20/29]
21年 [2-1-0-4/7] ※2月22日現在
18年まではほとんどコンビを組んでいなかったが、19年から騎乗依頼が増えている。金成厩舎のなかで19年は2番目、20年は1番勝ち星を上げているのがデムーロ騎手だ。
ちょうどデムーロ騎手の成績が低迷した19年から騎乗依頼を増やしており、金成調教師は救世主とも言えるだろう。
これまでに金成厩舎のJRA平地重賞勝ちは、サクラアンプルールで制した17年の札幌記念(G2)のみ。かつて勝負強さを武器に大舞台で活躍したデムーロ騎手が恩返しとして、厩舎に2つめのタイトルをもたらす日が来るかもしれない。
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