JRA「面目躍如」馬券攻略に見逃せないあの数値が有言実行!? 空気のような存在感も侮るなかれ…… 有効性を証明した東西重賞レコード決着
昨年9月から公表されるようになったクッション値の存在を覚えているだろうか。
JRAホームページからの引用によると、『コースの内柵から2メートルと3メートルの間の場所をその地点の測定範囲とし、1地点につき5箇所測定を行い、その平均値をその地点のクッション値とします』と説明がされている。
含水率とともに発表されるクッション値は、馬場の状態を数値化したものである。おおまかには7から12の範囲が目安となり、この数値が高ければ高いほど硬めで反発力が高く、低ければ低いほど軟らかめで反発力も低くなる。
現在採用されている馬場状態は、良→稍重→重→不良の4種類しかないが、クッション値による数値での視覚化により、詳細な状態をファンは知ることが可能となる。例えば良といっても晴れの続いた天候での良と、稍重から回復したばかりの良とでは同じ良でも状態は異なる。
馬場状態はレースを予想する上でも重要なファクターの一つでもあり、これまでは前後のレースから推測するしかなかった情報がわかりやすくなることは、競馬ファンの馬券攻略にも役に立ちそうだ。
とはいえ、このクッション値だが発表された時期こそ、メディアで取り上げられたが、その後もチェックし続けているファンはどれくらい残っているだろうか。馬券攻略の際にもどちらかというと二の次の情報であり、そこまで気にして予想をするかとなると怪しいところである。
そこで、開幕週らしい好時計のレースが続いた先週の中山開催から、改めてクッション値の信頼性と結果について振り返ってみたい。土曜に発表されたクッション値は「11.9」、日曜は「12.2」と、かなりの高水準でもあった。
初日となった土曜は芝条件で5レースが組まれ、いずれも4コーナーで4番手以内につけていた馬の勝利と前残りが多発した。
顕著な結果を見せたのが、この日のメインレースだった幕張S(3勝クラス)だ。1000m通過が57秒0のハイペースで展開したにもかかわらず、後方待機勢は見せ場なし。速い時計は出るが馬場状態が良好なため、前の馬には粘りやすく、後ろの馬には届きにくい傾向が強かった。
このレースを勝利したウインカーネリアンは2番手からの抜け出し。2着のエムアンドエンドは3番手、3着フォースオブウェルは4番手からの流れ込みだった。2馬身半の差をつけて圧勝した勝ち馬はともかくとして、8番人気の2着馬、6番人気の3着馬の好走は積極的な位置取りが激走へと繋がったと考えられる。
そして、引き続き好天に恵まれた日曜の中山記念(G2)でも、土曜に透けて見えた高速決着が現実のものとなった。
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