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JRA安藤勝己氏、オグリを生んだ笠松競馬の闇。騎手や調教師は何故「禁断の馬券購入」に踏み切ったのか。「1頭の調教で200円」売上絶好調の裏側で……【特別連載①】

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 開催中止中、主催者の岐阜県競馬組合は馬主に対して、クラスによって異なるが1頭当たり最高で1カ月20万円程度の補償金を支給している。

 だが、これとて預託料の高い厩舎では1カ月分にも足りない。これに少なからぬ馬主が悲鳴を上げ、笠松から他の競馬場への転籍が後を絶たないという。レースが行われなければ、目標を立てられない。競走馬の調教は目標とするレースに向けて段階的にこなしていくもの。現状では目標を見据えた調教などできる訳もない。そんな競馬場に安くない愛馬を安くない預託料で預ける馬主などいる訳もない。

 こうした状況が続いていけば転籍馬は更に増え、調教師の収入は激減。厩務員に対する固定給を支払うことも困難になる。

「第三者委員会の報告が遅れれば遅れるほど、調教師、騎手、厩務員は日々の生活に苦しみ、他の収入源を求めて競馬場から離れざるを得ません。報告が出されたときには競馬場から調教師、騎手、厩務員などひとっこ一人いなくなり、県庁から出向してきている管理者だけになるんじゃないか、というブラックジョークが競馬場周辺では盛んに言われています。このブラックジョーク、本当に笑えませんよ」(前出関係者)

 しかし、頼みの綱の第三者委員会には「期待などできない」という。今回の事件に関与し、利害関係を持つ第三者の要件を満たさないと思われる弁護士が委員会メンバーに名を連ね、とても公正かつ公平な報告など期待すらできないというのだ。

「第三者委員会は昨年8月に免許を更新されなかった調教師1人、騎手4人に全ての責任を負わせて解決させ、開催再開につなげる方針なのでしょう。しかし、笠松競馬の闇はそんな簡単なものではない。しかもその闇は笠松だけではなく広く地方競馬に共通するもの。
それが解明、解決されなければ地方競馬の不正、不公正は根絶されることなどあり得ないのではありませんか?」

 元調教師は馬券購入の違法行為を認め、ファンに対しては申し訳ない気持ちでいっぱいだと深く反省しながら、笠松競馬の「日本の下層社会」にも通じる苦衷を語った。(続)


<プロフィル>
売文家・甘粕 代三(あまかす・だいぞう):1960年東京生まれ。早大在学中に中国政府給費留学生として2年間中国留学。卒業後、新聞、民放台北支局長などをへて現業。時事評論、競馬評論を日本だけでなく、中国・台湾・香港などでも展開中。

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