JRA毎日杯(G3)グレートマジシャン×C.ルメールによる「無傷の3連勝マジック」は成功するのか!?「東上最終便」なのに「関東馬」が大活躍のカラクリとは?
27日の毎日杯(G3)にⅭ.ルメール騎手とのコンビでグレートマジシャン(牡3、美浦・宮田敬介厩舎)が出走を予定している。
まず初めに過去10年の関東馬の毎日杯出走頭数と最先着馬を振り返ってみたい。今年はグレートマジシャンを含む関東馬4頭の登録がある。
・20年出走無し
・19年1頭 アントリューズ(6番人気10着)
・18年1頭 ブラストワンピース(1番人気1着)
・17年出走無し
・16年1頭 アーバンキッド(4番人気2着)
・15年3頭 ミュゼエイリアン(7番人気1着)
・14年1頭 マイネルフロスト(5番人気1着)
・13年3頭 ガイヤースヴェルト(6番人気2着)
・12年5頭 スピルバーグ(7番人気3着)
・11年3頭 エチゴエチエ(5番人気4着)
過去10年間で関東馬の成績は延べ18頭が出走し[3.2.1.12/18]の勝率16.7%、連対率27.7%と上々の数字が出ているが、これを過去7年(14年以降)に絞ると延べ7頭の出走で[3.1.0.3/7]の勝率42.8%、連対率57.1%までハネ上がっている。不思議な事にこれだけの好成績の中、3番人気以上の支持を集めたのは18年の勝ち馬ブラストワンピースのみ。そして何頭出走した年でも3着以内に入るのは1頭にとどまっている。
「東上最終便」とも言われる毎日杯にわざわざ「関西遠征」をするくらいなら、むしろ「勝負気配」と見るのが自然だろうか。そして今回、イースタンワールド(牡3、美浦・高柳瑞樹厩舎)、ディープリッチ(牡3、小島茂之厩舎)、ロジローズ(牡3、美浦・大竹正博厩舎)を差し置いて「大将格」となるのは、当日「3番人気以上」の支持を集めることが予想されるグレートマジシャンだろう。
グレートマジシャンの血統だが、父ディープインパクトは7冠馬、母ナイトマジック(母の父ショロコフ)はドイツオークス(G1)、バーデン大賞(G1)を勝ち、ドイツ年度代表馬にまで上り詰めた名牝。全兄には新潟JS(J・G3)を勝ったフォイヤーヴェルクがいる。サンデーレーシングの募集価格8000万円(200万円×40口)が「お買い得」だったか否かはいずれ判明するだろうが、デビューからの2戦を見る限り、「前途は明るい」ように思える。
デビュー戦となった昨年11月、東京芝1800mの新馬戦。鞍上ルメール騎手は逃げ馬を見る形で上手にレースを進めるが、直線に向くと外からデルマヒジリに被せられてしまう。一瞬ひるんだようにも見えたがこれを競り落とし、今度はさらに外から人気を分けたレッドロワの強襲に遭うもアタマ差凌ぎ切った。苦しい直線で見せた勝負根性は目を見張るものがあったと言えよう。勝ちタイムは1:48.6、上がり3Fは34.0秒。
次走、年明け初戦に陣営が選んだのは2月のセントポーリア賞(3歳1勝クラス)。再び東京芝1800mでルメール騎手とコンビを組んだグレートマジシャンはスタートで出遅れ、後方からのレース運びを余儀なくされたが、終始楽な手応えのまま直線を向くと、先に抜け出したバジオウをあっさりと交わして無傷の2連勝を飾った。
上がり3F33.3秒は2着バジオウを0.9秒上回り、勝ちタイム1:46.5は自身の持ち時計を2.1秒更新と確かな成長を示した。新馬戦とは別モノのパフォーマンスに加え、共同通信杯(G3)エフフォーリアの勝ち時計が1:47.6という事を鑑みても「新星出現」と感じたファンも少なくないのではないか。
毎日杯は芝1800m、鞍上ルメール騎手も前2走と変わらない。しかし関西輸送、阪神コース、右回りはいずれも未経験という不安もある。
そんな中、「偉大なる奇術師」が無傷の3連勝というマジックを成功させたなら、陣営が目標とする日本ダービー(G1)でも侮れない存在となりそうだ。
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