
JRA高松宮記念(G1)インディチャンプ「スプリント適性」に疑問!? 女王グランアレグリアとの決定的な違いとは
28日、中京競馬場では高松宮記念(G1)が行われる。昨年は2着(3位入線から繰り上がり)のグランアレグリアが後に安田記念(G1)、秋にはスプリンターズS(G1)、マイルCS(G1)を制し「最優秀短距離馬」となった。
昨年、距離延長したグランアレグリアとは逆に、「統一マイル王」となった後にスプリント路線に勢力拡大を図ってインディチャンプ(牡6、栗東・音無秀孝厩舎)が参戦する。鞍上はこれで7戦連続となる福永祐一騎手だ。
インディチャンプの1600mの成績は【7.2.1.3/13】、この中で重賞は4勝。うちG1・2勝はアーモンドアイやアエロリット、ダノンプレミアムら歴戦の猛者を下してのもので、超一流マイラーであることは誰もが知るところである。
対して1400mは【1.0.1.1/3】、1勝はデビュー戦での勝利と心許ない成績。……。前走の阪急杯(G3)で4着、2走前の阪神C(G2)でも3着。さらに距離が1F短くなるスプリント適性には不安がないともいえない。つまり今週、ファンの頭を悩ませているのは「高松宮記念におけるインディチャンプの取捨」ではなかろうか。
右回り[5.2.2.5/14]に比べ、左回りは[3.0.2.0/5]と全て馬券圏内。また、中京コースに関しては18年7月の有松特別以来2年8カ月ぶりとなるが、そもそも勝っている上、パートナー福永騎手は高松宮記念[3.3.2.11/19]の勝率15.8%、連対率31.5%、複勝率42.1%と抜群の相性を誇り、さらには今年の芝レース14勝の内10勝を中京で挙げているように(残り4勝は阪神)、距離以外では問題がないようにも感じられる。
前走の阪急杯ではレコード圧勝のレシステンシアに屈したが、そのレシステンシアもドバイ遠征の北村友一騎手から武豊騎手、そして同騎手の負傷により浜中俊騎手と、鞍上問題で揺れたばかり。しかも今回は斤量も3キロ差から2キロ差に条件も好転。阪神から中京となり、逆転の余地は残されている。
前走後、福永騎手は「スタート良く、前目につけられて直線もいい感じで伸びてくれましたが、あと100mのところで止まってしまいました。休み明けの分が影響したかなと思います。今回使ったことで次良くなりそうです」と語り、今週の追切後には音無師からも「強い馬はいますが、わくわくしています。叩き良化型でもあるので今回の方が良いのかな」と、巻き返しに期待の持てるコメントを残している。
もちろん高松宮記念の敵はレシステンシアだけではない。昨年の1位2位入線馬クリノガウディーとモズスーパーフレアは今年も健在、さらには昨年末に香港スプリント(G1)を制したダノンスマッシュ他、「電撃の6F」を主戦場とした油断ならない強豪が出揃う。
最後にもう一つ忘れてならないのは近年の波乱傾向だろう。一昨年は3連単449万7470円が飛び出し、昨年は降着となった1位入線馬は15番人気、繰り上がりの優勝馬は9番人気と「何が来ても驚けないレース」となっており、上位人気に支持されることが予想されるインディチャンプからすれば決して望ましい傾向ではなさそうだ。
昨年のグランアレグリアも高松宮記念が初のスプリント戦ではあったが、同馬はその前に芝1400mの阪神Cを1分19秒4の好時計で5馬身差の大楽勝。余裕残しの手応えは距離短縮への適応を予感させる内容でもあった。
しかし、インディチャンプは芝1400m条件を使われた近2走で追走に後れを取っての敗戦続きと、2頭の臨戦過程には大きな隔たりがあることは見逃せない。
初距離、強敵、波乱傾向を打ち破り、スプリント路線の二階級制覇は成るのだろうか?「統一マイル王」の走りに期待したい。
PICK UP
Ranking
5:30更新巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 武豊の次に「上手い」のはアキヤマ!?「世界No.1」のR.ムーア騎手が「上手な日本人騎手」として武豊騎手の次に挙げた”意外”な名前
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- JRA池添謙一「2度結婚」「DV不倫」よりも紆余曲折の騎手人生。オルフェーヴル三冠→外国人で凱旋門賞、勝負強さは当代随一だが……
- 「オグリキャップ負けた」が話題となった宝塚記念…悲運の鞍上は武豊と同世代、勝ち馬の騎手は後に競馬界から追放のショック【競馬クロニクル 第60回】
関連記事
JRA高松宮記念(G1)武豊レシステンシア「乗り替わり」で大ピンチ!? 新パートナー浜中俊が示唆した「最悪レベル」の相性とは……
JRA高松宮記念(G1)ダノンスマッシュに立ちはだかる「不吉なジンクス」…… 多くの馬が跳ね返された壁を越えたのはあの名牝のみ
JRA高松宮記念(G1)浜中俊「もういいでしょ」若さ故の過ちから4年! 苦い経験を活かす絶好のチャンス、「被害者」武豊から託されたレシステンシアと重なるアノ馬
JRA高松宮記念(G1)武豊レシステンシア騎乗不可だけでなく「春全休」の可能性!? メイケイエール、ヨーホーレイク、ワールドプレミアなどの有力馬に暗雲…… クラシック目前で襲い来る11年前の悪夢
JRA高松宮記念(G1)「波乱の前兆」は既にある!? ダノンスマッシュへの「追い風」、レシステンシアを脅かす「不安材料」とは?