JRA高松宮記念(G1)武豊レシステンシア騎乗不可だけでなく「春全休」の可能性!? メイケイエール、ヨーホーレイク、ワールドプレミアなどの有力馬に暗雲…… クラシック目前で襲い来る11年前の悪夢
春の復帰は叶うのだろうか……。
武豊騎手は、20日の阪神10R発走時、騎乗するソウルトレインがゲート内で暴れた際に負傷。11Rは続けて騎乗したが、12R終了後に検査したところ右足部靱帯(じんたい)の損傷が判明したとして、翌日日曜の騎乗予定を全てキャンセルした。
22日、武豊騎手が京都市内の病院で改めて精密検査を受けたことを、自身のホームページで報告。「右足の第2、第3、第4中足骨骨折という診断」だったことに加え「わかりやすく言えば足の甲の部分の小さな骨の損傷」と説明している。
これにより、武豊騎手が騎乗を予定していた高松宮記念(G1)のレシステンシアは浜中俊騎手、日経賞(G2)のワールドプレミアは石橋脩騎手へと乗り替わることとなった。
ここからは治療とリハビリに入るようだが、武豊騎手は「治りにくい場所ではなさそうなので、5月ごろにはと、勝手に目標を立てています」と綴っており、復帰へ向けて意欲を見せている。
しかし、4月には桜花賞(G1)のメイケイエール、皐月賞(G1)のヨーホーレイクなど、有力馬も多く控えていた武豊騎手にとって、これらに騎乗できないことは大きな痛手といえるだろう。メイケイエールに関してはレースに行っての気性も激しく、これまで陣営との二人三脚で試行錯誤してきた馬。武豊騎手のみならず、今回の件は陣営にとっても痛恨の鞍上問題にも発展しそうだ。
ただ、復帰時期の「5月ごろ」というのは、あくまでも本人の希望的観測。過去の事例からは、最悪の場合「春全休」という可能性も否めない。
「今回とはシチュエーションや損傷個所など違いはありますが、武豊騎手は過去にも骨折で長期離脱を余儀なくされています。それまで年間100勝を優に超える成績を残していた武豊騎手ですが、このときのアクシデントを機に5年連続で100勝を下回る低迷に陥っていましたね。『治りにくい場所ではなさそう』とのことなので、回復が早ければいいのですが……」(競馬記者)
武豊騎手は、11年前にも春G1を前にアクシデントに見舞われた経験がある。
2010年には今回と同じく高松宮記念前に、毎日杯(G3)で騎乗したザタイキにて落馬。左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折、右前腕裂創との診断を受け、翌日の高松宮記念で騎乗を予定していたスズカコーズウェイなど、全馬が乗り替わりとなっている。
その際は、4月に迫った桜花賞のアプリコットフィズ、皐月賞のヴィクトワールピサの騎乗がなくなり春は全休。ようやく復帰を果たせたのが、夏競馬に入った8月だった。
先週、誕生日を迎えた武豊騎手は、見た目は若くとも既に52歳。日記には「子供の頃に想像していた52歳というものを思い出せないほど、イメージが離れていくことに戸惑っています」と綴っていたが、歳とともに回復力などの衰えも出てくるころだろう。
それでも、この歳でトップジョッキーの一人として活躍できていた事こそがレジェンドたる所以でもある。多くの競馬ファンも、武豊騎手が早期に復帰できることを期待しているはずだ。
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