JRA武豊「災難続き」高松宮記念(G1)レシステンシアに浜中俊! 有力馬への代打騎乗も「最低限の仕事」プレッシャーに打ち勝てる理由
28日、高松宮記念(G1)に出走予定だったレシステンシアの鞍上について、同馬を所有するキャロットクラブのホームページにて22日、当初予定されていた武豊騎手から浜中俊騎手に乗り替わることが発表された。
武豊騎手は、20日の阪神10R発走時、騎乗するソウルトレインがゲート内で暴れた際に負傷。11Rは続けて騎乗したが、12R終了後に検査したところ右足部靱帯(じんたい)の損傷が判明し、翌日日曜の騎乗予定全てキャンセルしていた。
今年は突発的な腰痛により、1月9日から11日の3日間開催で騎乗を断念。病院で「3日から5日の安静が必要」と診断され、その際も全ての騎乗をキャンセルしているように災難続きだ。
今週は土曜日に一昨年の菊花賞馬・ワールドプレミアでの日経賞(G2)参戦も予定されていた武豊騎手。高松宮記念のレシステンシアとともに無念の降板だったことは想像に難くない。
一方、G1での代打騎乗を指名された浜中騎手にとっては、願ってもないチャンスだろう。昨年のG1レースで騎乗した11鞍の内、7鞍が2桁人気という馬質だっただけに、有力馬でのG1参戦に気合が入っているはずだ。
今回乗り替わりとなるレシステンシアは、前走の阪急杯(G3)をレコード勝ち。主戦の北村友一騎手が高松宮記念の前日に行われるドバイシーマクラシック(G1)でクロノジェネシスに騎乗するため、武豊騎手へ乗り替わりとなる予定だった馬である。
本番の高松宮記念でも、『netkeiba.com』の予想オッズで1番人気を集める有力馬だけに、浜中騎手にかかるプレッシャーも大きいはずだ。
だが、そんな重圧も押し退け、浜中騎手なら期待に応えられるかもしれない。2015年の天皇賞・秋(G1)で1番人気のラブリーデイに代打騎乗し、見事勝利に導いているからだ。
秋の始動戦となった京都大賞典(G2)を勝利し、天皇賞・秋(G1)挑戦に向けて万全の態勢に思われたラブリーデイ。しかし、主戦の川田将雅騎手が騎乗停止になり、浜中騎手に白羽の矢が立った。
レースは18頭立てのフルゲート。ポンッとスタートを出たラブリーデイは、イン2列目の絶好といえる位置取り。序盤は若干行きたがる面を見せたが、浜中騎手がガッチリと手綱を抑え道中は折り合いに専念した。
直線に入ってもラブリーデイは手応え十分で、浜中騎手が外に持ち出すと残り200m手前では早くも先頭。後方からステファノスが猛然と追い込むも、半馬身差で追撃を凌ぎ切った。
「責任を果たせてほっとした」
レース後、そのように語った浜中騎手。1番人気馬での代打に、プレッシャーも相当だったに違いない。
完璧な騎乗で勝利を収めた浜中騎手は「この馬の強さを証明できてうれしい」とラブリーデイを称賛。続けて「最低限の仕事ができました」謙虚な姿勢を見せた。
大舞台での人気馬への乗り替わりという意味では、あの時の状況と似ているのかもしれない。経験のある浜中騎手なら、このプレッシャーにも打ち勝てるはずだ。
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