JRA 桜舞う季節にソダシ、サトノレイナス争う桜花賞(G1)、勝負の鍵を握るのは世代きってのあのじゃじゃ馬の枠順か?
4月11日に阪神競馬場で行われる桜花賞(G1)。無敗で臨む史上初の白毛G1馬ソダシや、阪神ジュベナイルF(G1)で2着のサトノレイナス、父にディープインパクト、母にアパパネを持つクイーンC(G3)覇者の良血馬アカイトリノムスメなどが注目されている。そんな中で気になるのがメンバーきってのじゃじゃ馬メイケイエール(牝3歳、栗東・武英智厩舎)だ。
阪神ジュベナイルFでは4着に終わったものの、これまでのG3レースでは2戦2勝、先日のチューリップ賞(G2)ではエリザベスタワーと同着での勝利と、上位人気のメンバーにも見劣りしない戦績を誇る同馬だが、それ以上に有名なのが気性の荒さだ。
勝利したにもかかわらず、チューリップ賞後に鞍上の武豊騎手が「勝つには勝ちましたが、良い勝ち方ではありませんでした。次へ向けて課題が多くなったと思います」と語ったことで話題になったが、パトロールビデオを観るとこのコメントには頷ける。
ゲートを出て先行する他馬を認識した瞬間に掛かり、全く言うことを聞かず左右に揺れながら走る姿に不安になって振り返る騎手も見られたほどだ。コーナーを曲がる際にはメイケイエールから2馬身ほどの距離を空けてエリザベスタワーが位置を取ったために、10番マリーナなど外枠の馬が大きく外を走らされる形となった。
きっかけはメイケイエールが最内からの競馬となったことに尽きる。阪神ジュベナイルFの際には最外18番からのスタートで、武豊騎手はゲートを出ても馬群に寄せることはしなかった。他馬から一定の距離を取っての競馬を選択したことが功を奏し、3コーナーまでは掛からずに展開できた。だが最内からのスタートの場合、他馬を意識しないでレースを展開することは不可能だ。
そのため、桜花賞でメイケイエールが内枠を引いた場合、怖いのは同陣営だけではないだろう。改修されてからは外枠の不利がそこまで影響しないといわれる阪神競馬場だが、暴走気味の馬が内にいると話は別である。今回のエリザベスタワーの手綱捌きのように馬以上に騎手の能力が問われるレースとなるだろう。
さらに、これまで4戦に渡って同馬の鞍上を務めた武豊騎手の負傷により、横山典弘騎手への乗り替わりが発表されたことも気になる点だ。横山典騎手が初めてタッグを組むメイケイエールにどう騎乗するか次第で、レースの展開が大きく左右される。
ここまで気性に問題のある馬としての側面が目立つメイケイエールだが、チューリップ賞で注目すべきは、4コーナー手前で武豊騎手が手綱を緩めるまでずっと掛かりっぱなしだったとはいえ、このレースで勝利を収めている点である。
舞台となる阪神競馬場では3戦2勝と相性は悪くない。1着の可能性も十分にありうることも押さえておきたい。実力を持った暴れ馬……他馬陣営の悩みの種の1つとなっているだろう。
桜舞う季節に有力3歳牝馬が凌ぎを削る桜花賞、高いポテンシャルを持つじゃじゃ馬の参戦により例年以上に枠順発表から目が離せない一戦となりそうだ。
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