
JRA キズナ産駒の激走は「警報レベル」に突入!? 16番人気で「53万馬券」演出ハギノピリナだけじゃない、日本ダービー(G1)でも波乱の期待
23日に東京競馬場で開催されたオークス(G1)は、無敗二冠の懸かったソダシが単勝1.9倍の圧倒的1番人気に推されたが8着に敗れた。
断然人気のソダシが敗れたとはいえ、優勝したのはM.デムーロ騎手の3番人気ユーバーレーベン、2着もC.ルメール騎手の2番人気アカイトリノムスメのワンツーフィニッシュ。馬連は1880円という平穏な配当だった。
これに対して3着以内の馬を的中させる3連複は10万9190円、3連単に至っては53万2180円の高配当。大波乱の使者を演じたのは、18頭立てのレースで16番人気の超人気薄だったハギノピリナである。
同馬は2013年のダービー馬キズナの産駒。オークスにはハギノピリナ以外にも4番人気ファインルージュ、5番人気ステラリアの計3頭が出走していたが、最も人気のなかったハギノピリナが大穴を開けた。
そこで注目したいのは今年の春G1におけるキズナ産駒の活躍だ。
同期のライバル・エピファネイアが、デアリングタクト、エフフォーリアなどのG1馬を輩出。種牡馬成績で一歩リードしているが、G1戦線で好走を続けていたキズナ産駒は穴党から密かに注目を集めていた。
オークスを16番人気ハギノピリナが3着に激走しただけでなく、桜花賞(G1)は8番人気ファインルージュが3着、天皇賞・春(G1)は1番人気ディープボンドが2着、NHKマイルC(G1)は7番人気ソングラインが2着に入っている。
また、G1以外でもファインルージュがフェアリーS(G3)、ディープボンドが阪神大賞典(G2)、バスラットレオンがニュージーランドT(G2)を制したように勢いもある。
上位人気に支持された馬以外でも、人気薄で穴を出していることから“キズナ注意報”が出ていたが、ここまで来るといよいよ“警報”レベルまでマークが必要となりそうな雰囲気だ。
ちなみに今週の日本ダービー(G1)に出走予定のキズナ産駒はバスラットレオン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)ただ1頭。前走のNHKマイルCは3番人気に支持されたが、残念ながらスタート直後の落馬による競走中止で不完全燃焼。昨年のダービーをコントレイルで制した陣営が競馬の祭典への出走を決断したからには、何かしらの秘策を用意していても不思議ではない。
24日現在、バスラットレオンは『netkeiba.com』によるダービー出走予定馬の想定オッズでは、単勝オッズ47.6倍の11番人気。逃げ馬が他に見当たらないことからもノーマークとなる可能性も高い。
配当的な妙味も十分あるだけに、「今が旬」のキズナ産駒を狙ってみる手もありそうだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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