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JRA「主役」ミホノブルボンが「脇役」ライスシャワーを一蹴! 日本ダービー(G1)立場の違いを表す「3万馬券」、しのぎを削った2頭の“意外過ぎる共通点”とは

JRA「主役」ミホノブルボンが「脇役」ライスシャワーを一蹴! 日本ダービー(G1)立場の違いを表す「3万馬券」、しのぎを削った2頭の意外過ぎる共通点とはの画像1

 今年も競馬の祭典・日本ダービー(G1)に沸く週末がやってくる。気になる枠順は紅一点の牝馬サトノレイナスが桜花賞に続いて8枠となる不運、対するエフフォーリアは過去10年で最多3勝の絶好枠・1枠を手に入れることに成功した。

 同馬はデビューから5戦全勝で皐月賞(G1)を制覇。これまで無敗で二冠を達成した例は1984年シンボリルドルフ、91年トウカイテイオー、92年ミホノブルボン、2005年ディープインパクト、20年コントレイルの5頭。エフフォーリアには2年連続、史上6頭目の快挙達成に期待が懸かる。

 なかでもミホノブルボンが優勝した92年のダービーは、2着に入ったライスシャワーが単勝オッズ114.1倍の16番人気。おそらく多くのファンがノーマークだった超人気薄の激走により、馬連の払戻は2万9580円という約3万馬券の高配当となった。

 それもそのはず、ライスシャワーはダービーまでに2勝を挙げていたとはいえ、直前のNHK杯(G2・当時)を9番人気で8着に敗れていたばかり。2頭が直接対決したスプリングS(G2)で約9馬身、皐月賞でも約8馬身もの差をつけてミホノブルボンが勝利していた。

 前年のトウカイテイオーに続き、2年連続で無敗の二冠を期待されていた主役に比べると、一介の脇役に過ぎなかったのは仕方のない話だろう。

 フルゲート18頭立てのレース。7枠15番からスタートのミホノブルボンは、いつも通りの逃げから先頭に立つ。通常の馬なら厳しいラップでも「栗毛の超特急」にとってはマイペース。

 3コーナーを過ぎて、早くも手の動き出す後続を尻目に、ミホノブルボンは気持ちよく快足を飛ばし続ける。馬なりのまま最後の直線を迎えると、GOサインが出た半ばからはもはや突き放す一方。スタートから終始、2番手からブルボンの背を追い続けたライスシャワーが、マヤノペトリュースとハナ差の勝負を制して2着に粘り込んだ。

 主戦の小島貞博騎手は、デビュー22年目に掴んだダービージョッキーの称号。ブルボンと出会うまでは、どちらかというと地味な中堅騎手がスターダムに駆け上がるシンデレラストーリーだった。

 その一方で、ここまで意識することもなかったライバルの足音は、徐々に大きくなりつつあった。それまで遥か後方に置き去りにしてきた相手との差は4馬身まで縮まった。

 ダービー16番人気の大穴は、再び両馬がぶつかった秋の京都新聞杯(G2・当時)で1馬身半差に急接近する。ワンツーフィニッシュした2頭の馬連払戻は1番人気の300円。ダービーの3万馬券から約100分の1まで下がるとともに、かつては雲の上の存在だった無敗二冠馬の背中は過去最小となる1馬身半まで迫っていた。

 そして、ミホノブルボンに無敗三冠が懸かった菊花賞(G1)。激闘を繰り広げて来た2頭に、初めて主役交替の時が訪れる。

 ちなみに、しのぎを削った2頭には意外な共通点もあった。

 ミホノブルボンは逃げ馬として有名だが、1000mのデビュー戦で出遅れながらも、最後方から上がり3ハロン33秒1の直線一気で差し切り勝ち。勝ちタイム58秒1の3歳コースレコード(当時)をマーク。

 これに対し、ライスシャワーもステイヤーのイメージとはかけ離れた1000mのデビュー戦を勝利していたのだった。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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