
最低人気馬「単勝333倍」の衝撃! 横山ファミリーの“ダークホース” が「282万馬券」を演出、エプソムC(G3)直前にも12番人気激走で存在感増し増し?
13日、東京競馬場で行われた9R八王子特別(2勝クラス)は、16番人気のリキサンダイオー(牡8、美浦・奥平雅士厩舎)が優勝。2018年3月の500万下(当時)以来、3年3カ月ぶりとなる4勝目を挙げた。
16頭立ての16番人気という最低人気馬の激走に単勝の配当は333.5倍、三連単に至っては282万7740円という大波乱となった。
この大波乱の使者の手綱を執ったのが23歳の若手・菊沢一樹騎手だ。父は元騎手でもある菊沢隆徳調教師。関東の大ベテラン・横山典弘騎手は伯父にあたる。近年は横山典騎手の長男・和生騎手、三男武史騎手の活躍も顕著だが、菊沢騎手もある意味「横山ファミリー」の一員でもある。
フルゲートで行われたダート2100mのレース。8枠16番の大外から好スタートを決めたリキサンダイオーは、ハナを主張したアポロティアモを一旦先に行かせて2番手の好位から追走。道中、他の騎手から大きな動きもなかったことで隊列はすんなり収まった。
淀みのない流れが続き、最後の直線を迎える。残り300mを過ぎた辺りでリキサンダイオーが逃げ粘るアポロティアモを交わして先頭に躍り出る。3番人気ペルセウスシチーが追い上げて来たが余裕十分に退けてゴール。3着には6番人気ヴェラアズールが入り、16番人気→3番人気→6番人気の順で入線した。
先行勢が3着以内を独占したように、後方待機勢の末脚が不発に終わる展開ながらも、楽に抜け出したリキサンダイオーの勝ちっぷりは、とても最低人気馬のそれとは思えない走り。迷いなく積極果敢なレースを選んだ菊沢騎手の好騎乗が光った。
だが、この日絶好調だった菊沢騎手の“大仕事”はこれだけではない。
続く10Rの夏至S(3勝クラス)でも、12番人気の大穴ダノングリスターとのコンビでも3着に食い込む激走。1番人気、3番人気がワンツーしたレースで3着に入り、三連単9万7120円の高配当を導いた。
9R、10Rのいずれも8枠16番という大外枠の不利がありながら、しっかりと結果を残した手腕に、菊沢騎手に対する穴党の信頼はさらに厚くなったといえるだろう。
残念ながらメインレースのエプソムC(G3)は、15番人気ミラアイトーンとのコンビで挑んだが、出遅れたこともあって15着に惨敗してしまった菊沢騎手。重賞はミッキースワローで勝利した19年の七夕賞(G3)のみだが、この勢いが続くようなら待望の重賞2勝目もそう遠くはないはずだ。
これから始まる夏競馬。大穴を連発した“大外の菊沢”は覚えておいて損はないかもしれない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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