
JRA禁止薬物「失格馬」が驚愕の6馬身差圧勝! 弥生賞(G2)上がり最速4着の「遅れてきた大物」が“汚名返上”の秋へ飛躍
19日、札幌競馬場で行われた利尻特別(1勝クラス)は、1番人気のソーヴァリアント(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)が勝利。3月の弥生賞(G2)で4着と、あと一歩でクラシック挑戦を逃した大器が、飛躍の秋に向け単勝1.3倍に応えた。
やはり、ここでは格が違った。8頭立ての芝2000mのレース。鞍上の大野拓弥騎手が「スムーズに出てくれた」と話した通り、好スタートを決めたソーヴァリアントは、ハナを主張したホウオウビクトリーを行かせる形で3番手の競馬。
残り1000mから徐々に進出を開始して4コーナーで先頭に立つと、あとは独壇場。結局、大野騎手が一度もムチを使うことなく、2着サトノハンターに6馬身差をつけて圧勝した。
「ここでは力が違い過ぎましたね。前半1000m通過が62.7秒という超スローでしたが、後半の1000mが57.1秒という、1勝クラスとしては非常にハイレベルなロングスパート合戦。2着以下がちぎれるのも当然ですし、勝ち馬は相当強い競馬をしています。
特に後半は12.0 – 12.0 – 11.3 – 10.9 – 10.9と非常にタフなラップ。この流れを残り1000m辺りから動き、先頭に立って押し切ったソーヴァリアントは、現時点でも相当なレベルにあると思います。まだ3歳ですし、これは秋が楽しみな器ですよ」(競馬記者)
記者がそう話すのも当然か。前走の弥生賞で4着と、あと一歩で皐月賞(G1)の優先出走権を逃したソーヴァリアントだが、勝ったタイトルホルダーは皐月賞2着馬。2着のシュネルマイスターがNHKマイルC(G1)、3着のダノンザキッドがホープフルS(G1)を勝っているなど、非常にハイレベルな上位陣だった。
「あの弥生賞にしても、前半1000mが62.6秒という超スローから逃げた馬と2番手がワンツーゴール。大野騎手も『ペースが上がったところでも、持ったままでいけた』と話していましたし、中団から上がり最速の末脚を使ったソーヴァリアントにとっては、決して力負けではないと思います。
皐月賞馬エフフォーリアやダービー馬シャフリヤールとの力量差はまだわかりませんが、その次のグループには名を連ねていい存在だと思います」(別の記者)
なお、この日、ソーヴァリアントが記録した上がり3ハロン33.0秒は同日の札幌でも最速。超スローペースからの上がり勝負だったとはいえ、これをノーステッキで記録したのだから末恐ろしい存在だ。
「力がある馬ですし、レースの組み立ても楽でした」
レース後、大野騎手がそう話すのも当然か。昨年11月に未勝利戦で1位入線した際は、後に禁止薬物のカフェインが検出されたことで失格処分を受けたソーヴァリアント。なお、本件は半年経った今でも、まだ先日に2回目の裁定委員会が開催されたばかり。第3回で大竹調教師の最終的な処分を決定する見込みだ。
だが、そんなゴタゴタもどこ吹く風という快勝劇を見せたソーヴァリアントの方は、秋には大レースで“汚名返上”の走りを見せてくれているかもしれない。(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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