
JRA キタサンブラック全弟が「武豊降板後」に4戦3勝の快進撃! 3馬身差の圧勝「オープンでも楽しみ」7冠馬弟がいよいよ本格化
11日、福島競馬場で行われた10R天の川S(3歳上、3勝クラス)は、柴山雄一騎手の5番人気エブリワンブラック(牡4、栗東・武幸四郎厩舎)が優勝。2着キタノオクトパスに3馬身差の圧勝でオープン入りを決めた。3着に1番人気ファイアランス。
もどかしい競馬の続いていた期待馬が、雨の降り続く福島で混戦を切り裂いた。
エブリワンブラックにとって初コースとなった福島・ダート1700mは15頭立て。好スタートを決めたファイアランスを、内からホッコーアカツキが交わして一気に先頭へと躍り出る。さらに3番手にダノンロイヤルがつけ、そのまま先行勢を形成するかに思われた。
だが、今度は外からナンヨーイザヨイ、ロードアブソルート。内からコウソクスピードも3番手争いに参戦して出入りの激しい展開に。3コーナー手前あたりから、後方に位置していたエブリワンブラック、キタノオクトパスが徐々に進出を開始。前にいる馬は終始、先行争いを繰り広げている状態だ。
最後の直線に入り、競り合いを続ける先行勢を射程に入れたエブリワンブラックは、内目の追走から馬場の真ん中に出して進路を確保。鞍上からゴーサインが出されると一気に末脚を伸ばして抜け出しに成功すると、2着争いを尻目にゴールでは2着馬に3馬身のセーフティリードを築いていた。
「道中はなかなか進まなかったが、直線で弾けてくれた。本当に力をつけている。これなら、オープンでも楽しみだと思う」
次走でも目処の立つ圧勝劇に、初コンビの柴山騎手も高評価を与えた。
19年10月に東京でデビューしたエブリワンブラック。このレースで3着と敗れ、未勝利脱出に5戦。次の1勝クラスでもクラス卒業までに8戦を要している。
好走しても2着、3着が続いたように勝ち切れない馬のイメージが根強かったものの、次の2勝クラスはわずか2戦で卒業。そして今回、これまで連勝に無縁だった馬が、キャリア初の連勝と一変。レース内容からも、本格化を思わせる快進撃といえるだろう。
「連勝も初なら3馬身以上の差をつける勝利も初。これまでとは別馬のような圧勝でした。血統はキタサンブラックの全弟ですが、クラシックでも活躍していた兄と違って、ダートが主戦場の地味な存在。次走でも勝つようならチャンピオンズC(G1)でも惑星になるかもしれません。
近4走は別の騎手が騎乗していますが、管理しているのも武豊騎手の全弟(笑)の武幸四郎調教師ですから、コンビ復活もありそうです」(競馬記者)
かつてG1・7勝を挙げた兄のキタサンブラックは、武豊騎手が主戦になって、さらに大きく飛躍。2年連続の年度代表馬に選出されるなど、一時代を築いた。
その点で全弟のエブリワンブラックが今春、武豊騎手が乗り替わってから4戦3勝という快進撃が始まったのは皮肉なことだが、武豊騎手の腰痛や骨折とタイミングが重なっただけで、本馬に対する期待はまだまだあるはずだ。
ダートで開花した素質馬の圧勝は、はたして本物なのか。
7冠馬の偉大な兄キタサンブラックの背中はまだまだ遠いが、真価を問われる次走でどのような走りを見せるか注目が集まりそうだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
5:30更新アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
府中の大ケヤキ、実は「偽名」だった!? 伐採試みた作業員が死亡、サイレンススズカも散った「魔の第3コーナー」の怪、ダービーが行われる東京競馬場の都市伝説に迫る
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 武幸四郎騎手に横山典弘騎手が「絶叫」!? 武豊騎手が明かしたアノ復活劇でのエピソードに見る、弟のキャラクター
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRA最高獲得賞金・テイエムオペラオー「行方不明」の実態。DQNファンの度重なる”異常行動”にゴールドシップやオグリキャップなど被害続々……
- 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
関連記事
JRA 戸崎圭太「素質の高い馬」名牝スイープトウショウを母に持つクリーンスイープが待望2勝目!「連対率100%」遅れてきた大物が目指すは秋華賞(G1)の母仔制覇か
JRA【函館2歳S(G3)展望】馬体重“98kg差”の一騎打ち!? 「新種牡馬」シルバーステート産駒メリトクラシーVS「ラストクロップ」キングカメハメハ産駒ポメランチェ!
【ジャパンダートダービー(G1)展望】JRA武豊「申し訳ない」とはもう言わせない!? 牡馬勝りウェルドーンと16年ぶり制覇へ!日本ダービー(G1)“視野”で物議のリプレーザも参戦
JRA【函館記念(G3)展望】ダート王カフェファラオ“出走”なら大注目!凱旋門賞(G1)“登録”マイネルウィルトスは試金石の一戦
JRA【中京記念(G3)展望】夏の小倉に“強力牝馬”が集結!3連勝中「上がり馬」ロータスランド、「完全復活」ディアンドルに「良血」クラヴェルも!対する牡馬勢は……