GJ > 競馬ニュース > 夏の新馬戦は「小学校の運動会」⁉  > 2ページ目
NEW

JRA夏の新馬戦は「小学校の運動会」⁉ トラウマ残る「ムチ連打」はご法度、“メイクデビュー”の知られざる騎乗ぶりを徹底解説!!

【この記事のキーワード】, ,

 かつて「新馬戦では、なるべくムチを使わないようにしている」とコメントしたのは、歴代2位の2943勝をあげた現役時代の岡部幸雄騎手。

 レースについてなにも知らない新馬たちは、あまりにも沢山のムチを叩かれることで、レースが嫌いになり、次走に影響が出るケースがあるという。

「初体験」で痛い思いをしたら、後々まで影響が出るのは当然のこと。常々「馬優先主義」を貫いていた岡部元騎手の発言は説得力があり、これは名手・武豊騎手も同主旨のコメントを残している。

 実際に横山典弘騎手などはレース中、新馬に対して少しでも不利があった場合は、そこから無理せず、馬を追わない騎乗が目立つ。これは決して「真剣に追わない」といったわけではない。新馬にレースに対して嫌な思いをさせたくない、レースを嫌いにならないようにという配慮にほかならない。

 サラブレッドが生まれるのは、だいたい2月から6月にかけて。つまり夏場の2歳新馬は、生まれてから2年ほどしか経っていないことになる。一般的に、馬の年齢×4〜5が人間の年齢といわれていることから、この時期に登場する新馬たちは、人間でいうところの8歳〜10歳。そんな「小学校の運動会」でもある新馬戦でビシビシとムチを叩かれたら、トラウマになることは必至だろう。

 さらに体力的にも「未完成」な新馬たち。初めてのレースではゴール前で力尽き、真っ直ぐ走らないこともしばしば。一流ジョッキーたちは、こうした背景をふまえてメイクデビューに挑んでいるのだ。

 果たして、前述した福永騎手や川田騎手が新馬戦でムチを連打しているだろうか。またメンタル面でもフィジカル面でも「未完成」な新馬たちの背に跨り、どんな騎乗方法で新馬を御しているのか。

 もちろん、馬券的中への飽くなき探究も興味深いが、新馬戦にはこうしたレースの見方があることも、新馬戦の楽しみ方の一つといえそうだ。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

JRA夏の新馬戦は「小学校の運動会」⁉ トラウマ残る「ムチ連打」はご法度、“メイクデビュー”の知られざる騎乗ぶりを徹底解説!!のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 【日本ダービー】「力があるね」「大したもん」田原成貴氏&安藤勝己氏も高評価!打倒ジャスティンミラノに「最大の惑星」が名乗り
  2. C.ルメールが「過怠金」横山典弘が「騎乗停止」に賛否両論!? 覚悟の突撃と不可抗力…JRAの一貫した判断とは
  3. “リバティアイランドは怪我で回避”最強牝馬不在が意味するもの。ヴィクトリアマイルで社台グループの深すぎる内部事情!
  4. 25年ぶりのJRA最多勝記録更新も視野!? 川田将雅に匹敵する3着以内率62.2%…今「最も信頼できる騎手」森一馬が凄い!
  5. J.モレイラ「出禁回避」へ負けられない戦い! 桜花賞馬ステレンボッシュは「騎乗不可」、日本ダービーでも悩ましい選択?
  6. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも【日本ダービー】武豊がキタサンブラック弟と挑む最多7勝目【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
  7. テーオーロイヤル、ドゥレッツァの骨折も無関係ではない!? タイムトライアルのような京都の高速馬場…宝塚記念前の「怪時計連発」に懸念の声
  8. JRA「理由なき」単勝115.9倍の皐月賞(G1)勝利に呆然……ナリタブライアンのレコードを塗り替えたのは、約110億円分を一瞬で「紙クズ」にしたお騒がせホース
  9. 「叩かれるのが嫌ならSNSすんなよ」斎藤新にSNSの洗礼!? 注目の若手がそれでも大事にしたいこと…「美肌の秘訣」に商品メーカーも反応
  10. 「絶妙ラップ」でメジロパーマー以来32年ぶり快挙!成績不振&名伯楽からの卒業…ピンチをチャンスに変えた「花の35期生」新人王