
JRA川田将雅が、福永祐一が絶賛した「大器」の今……サトノウィザード&ヴェロックスに課せられた2年越しの命題
先週1日、新潟競馬場で行われたメインレース・関越S(OP)は、2番人気のサトノウィザードが豪快に大外から突き抜けて勝利した。
レース後、鞍上の福永祐一騎手が「重賞でも勝てる素質があると思う」とコメントした通り、好メンバーの集った一戦を制したことで、5歳にしていよいよ重賞初制覇に王手をかけたと言っても過言ではないだろう。
その一方で、こちらも長く重賞初制覇を待たれている存在がいる。15日の小倉記念(G3)へ出走を予定しているヴェロックス(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)だ。
皐月賞(G1)2着に、日本ダービー(G1)3着、菊花賞(G1)3着。主戦だった川田将雅騎手が「全体的に素晴らしい馬」と称賛したように、時代に恵まれれば三冠馬になっていたかもしれないヴェロックス。そんな大器が5歳を迎えて、G1制覇どころか、未だ重賞勝利にさえ手が届いていないのは意外と言えるだろう。
実はこのサトノウィザードとヴェロックスが、ワンツーゴールしたことがあるのをご存知だろうか。
2019年の1月に行われた若駒S(L)。過去の勝ち馬にトウカイテイオーやディープインパクト、マカヒキなどが名を連ねる3歳クラシックの登竜門である。1着馬にしか収得賞金が加算されないリステッド競走だけに「勝つ」ことが極めて重要な一戦だった。
この年、8頭立てで行われた若駒Sで、単勝2.6倍の2番人気に支持されたのがヴェロックスだった。サトノウィザードに至っては、単勝1.9倍の1番人気とヴェロックスを超える支持を集めている。
結果は、ヴェロックスが勝って収得賞金の加算に成功。クラシック出走の切符を手中に収める。結果、この年の三冠レースすべてで好走し、世代トップクラスへ大きく羽ばたいている。
一方、2着に敗れて賞金の加算に失敗したサトノウィザードはその後、自己条件でも躓き、クラシックに出走することすら叶わなかった。もし、あの若駒Sを勝ち切っていれば、少しは違った未来があったかもしれない。
だが、実はこの若駒Sを巡る物語はこれだけでは終わらない。
PICK UP
Ranking
23:30更新「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
関連記事
JRA福永祐一「誰が乗っても勝てた」ほどの実力馬が救世主!? 絶好調の新潟で馬場読みが冴えるも……、「27連敗」2年間未勝利の苦手条件が今後の課題か
一口当たり「2823万円」の回収!?「2万円台」のリーズナブル価格でクロノジェネシス超え、10億円以上稼いだ「回収率No.1」クラブ馬とは
JRAエフフォーリアの「二の舞」は絶対に避けたい!? 暑さが苦手のC.ルメールが新潟にスポット参戦、来年のクラシック候補を見据える好素材は好走必至?
JRA 武豊の兄弟子が「警鐘」鳴らした高速馬場の弊害! 条件戦でもレコード多発の異常さを危惧、アグネスタキオン主戦騎手が指摘した近代競馬の問題点とは
JRA早過ぎるリーディング陥落に「騎乗停止」が決定打!? “夏の珍事”はまるでツインターボVSディープインパクト、大穴が武豊と僅差の大健闘も二強に落ち着いた函館開催