GJ > 競馬ニュース > 調教師「不祥事」がリーディング争いにも影響!?
NEW

JRA相次ぐ調教師の「不祥事」がリーディング争いにも影響!? 勝ち数を倍増させた春G1・2勝トレーナーに思わぬ「棚ぼた」効果

【この記事のキーワード】, ,

JRA相次ぐ調教師の「不祥事」がリーディング争いにも影響!? 勝ち数を倍増させた春G1・2勝トレーナーに思わぬ「棚ぼた」効果の画像1

 8日に2021年の函館競馬開催が終了した。函館開催リーディングジョッキーは、15勝をあげた横山武史騎手が2年連続獲得する結果となった。

 一方、調教師部門は6名が4勝で並んでいたが、2着数で上回った手塚貴久調教師が初めて函館リーディングトレーナーに輝いた。

 手塚師と言えば、今春のNHKマイルC(G1)をシュネルマイスター、オークス(G1)をユーバーレーベンで制するなど、今年G1を2勝しているトップトレーナーだ。函館リーディング獲得についても特段驚くほどでもない。

 しかし、今回のリーディング獲得については一概に手塚厩舎だけの活躍とは言えなさそうだ。実は今年上げた函館4勝のうち、半数にあたる2勝は手塚厩舎の馬“ではない”からだ。

 手塚厩舎は、昨年11月に管理馬から禁止薬物が検出された件で調教停止処分を受けた大竹正博厩舎の管理馬を、6月24日から今月23日まで一時的に引き受けている。そのため、当該期間は大竹厩舎の所属馬が手塚厩舎に在籍することとなり、レースに出走する際も手塚厩舎の馬として出走する。そして、先ほど述べた2勝は、元大竹厩舎の管理馬であった。

 大竹師の件については、警視庁協力のもと調査を続けてはいるが、現在まで原因究明に至っていない。その状況下でJRAは大竹師へ調教停止処分を課し、大竹厩舎管理馬を日本調教師会関東本部長の手塚師へ転厩させた。思わぬ「大竹効果」で勝ち数が倍増した手塚師にとっては、棚ぼた的な函館リーディングともいえるだろうか。

 手塚師同様に他厩舎の管理馬を引き受け、恩恵を受けたのが岩戸孝樹調教師だ。岩戸師は、木村哲也調教師がパワハラ疑惑で罰金刑の略式命令を受けた関係で、木村師の管理馬を預かっている。

 岩戸師は、木村師管理馬転厩以前は今年4勝であったが、転厩後は7勝。開催4日で3勝と一気に勝ち星を積み重ねることとなった。3勝のうち2勝は木村師から引き継いだ馬であるため、成績面からは確実に木村師からの恩恵を受けたことになる。

 また、調教停止処分による転厩馬がG1を勝ったケースもある。18年に道路交通法違反で調教停止処分を受けた角居勝彦元調教師は、自身の管理馬が日本調教師会関西本部長の中竹和也厩舎へ転厩することとなった。中竹厩舎へ転厩した馬の中には、後の皐月賞馬(G1)サートゥルナーリアがおり、中竹厩舎在籍中にホープフルS(G1)を勝利した。

 手塚厩舎への大竹師管理馬転厩は間もなく終わりとなるが、それまでに大竹厩舎の有力馬が軒並みレースへ出走する予定だ。大竹師へ初G1をプレゼントしたブラストワンピースは札幌記念(G2)へ、薬物騒動の主役ながら前走を圧勝したソーヴァリアントは15日札幌12Rへ出走する見込みだ。

 このような過去の例から調教停止処分中に管理していた馬が走るケースは珍しくない。ソーヴァリアントに加え、ブラストワンピースが昨年1月以来の勝利を上げるようなことがあれば、大竹師にとっては複雑な心境だろう。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。

JRA相次ぐ調教師の「不祥事」がリーディング争いにも影響!? 勝ち数を倍増させた春G1・2勝トレーナーに思わぬ「棚ぼた」効果のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

5:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. JRA伝説レコード「1:57.8」サッカーボーイの謎に迫る。1988年から「32年間」不滅、最有力は当時の函館が「洋芝ではなかった説」だが……
  2. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  3. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  4. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  5. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  6. 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
  7. 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
  8. アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
  9. 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
  10. JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分