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JRA武豊まさかの「騎乗停止」…池添謙一の騎手人生を分けた13年前の夏。自身の「営業力」で掴んだグランプリ連覇、そしてオルフェーヴルとの三冠制覇へ

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 ドリームジャーニーもオルフェーヴル同様、やはり池添騎手のイメージが強い。だが、デビュー戦から日本ダービー(G1)までは蛯名正義騎手が主戦だった。その後、武豊騎手に乗り替わり、池添騎手に鞍上が初めて回ってきたのは4歳の安田記念(G1)。武豊騎手がスズカフェニックスに騎乗したために訪れたビッグチャンスだったが、池添騎手は10着に敗れて結果を残すことができなかった。

 当時のドリームジャーニーはスランプに陥っていた。朝日杯フューチュリティS(G1)を勝って、父ステイゴールドに初のG1勝利をプレゼントしたものの、3歳クラシックでは苦戦……古馬になって、マイラーズC(G2)14着、そして安田記念でも10着に大敗し、陣営の高い期待とは裏腹に、早熟というレッテルさえ貼られかけていた。

 その後、一息入れたドリームジャーニーは、夏の小倉記念(G3)から始動。鞍上に予定されていたのは武豊騎手であり、池添騎手は安田記念だけの“代打”とみられていた。

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 しかし、ここで武豊騎手がまさかの騎乗停止に……。

 池添騎手は、このチャンスを逃さなかった。自ら陣営に志願して2度目の代役をゲットすると、予定していた函館の騎乗をキャンセルしてでも乗りに行った。安田記念で敗れはしたが「次は良くなりそう」と復活を信じていたのだ。

 レースでは、後方から見事にまくりを決めて快勝。G1馬が小倉記念を勝ったのは、これが初めてながらドリームジャーニーにとっては、前年の神戸新聞杯(G2)以来、約10か月ぶりの勝利だった。

 レース後、池江泰寿調教師が「この勝利で(復活への)キッカケを掴めたと思う」と話し、ここでようやく主戦・池添騎手が誕生した。

 その後、ドリームジャーニーは池添騎手と共に天皇賞・秋(G1)こそ10着に敗れたが、有馬記念(G1)では4着と“らしさ”を取り戻していく。宝塚記念(G1)、有馬記念のグランプリ連覇を成し遂げたのは、その翌年のことだ。

 そんな実績がオルフェーヴルの主戦抜擢にもつながり、三冠制覇を始めとするその後の活躍は言わずもがな。池添騎手はオルフェーヴルと共に一気に競馬界のスターダムへのし上がった。

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 今年の小倉記念でドリームジャーニーのような復活が期待されているのは、やはり5歳馬のヴェロックスではないだろうか。

 クラシック戦線で活躍しながらも、古馬になって低迷……主戦の川田将雅騎手から、新コンビの浜中俊騎手へ乗り替わって今回が2戦目と、当時のドリームジャーニーとどこか似た雰囲気がある。

 果たして、浜中騎手はかつての池添騎手のようにパートナーを再生できるだろうか。3歳クラシックを2着、3着、3着と潜在能力は現役でも折り紙付きの存在。復活劇の後に、思いもよらぬ栄光が待っていても不思議ではないはずだ。

(文=浅井宗次郎)

<著者プロフィール>
 オペックホースが日本ダービーを勝った1980年生まれ。大手スポーツ新聞社勤務を経て、フリーライターとして独立。コパノのDr.コパ、ニシノ・セイウンの西山茂行氏、DMMバヌーシーの野本巧事業統括、パチンコライターの木村魚拓、シンガーソングライターの桃井はるこ、Mリーガーの多井隆晴、萩原聖人、二階堂亜樹、佐々木寿人など競馬・麻雀を中心に著名人のインタビュー多数。おもな編集著書「全速力 多井隆晴(サイゾー出版)」(敬称略)

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