JRA ユーバーレーベンに最大の「ライバル」登場!? 出世レース制した「厄介な相手」はお手馬、秋華賞(G1)のライバルは自身が背中を知る馬か
15日、新潟競馬場で行われた10Rの三面川特別 (2勝クラス)は、M.デムーロ騎手騎乗の1番人気エイシンチラー(牝3、美浦・田中剛厩舎)が自身3勝目を決めた。
12頭立てで行われた牝馬限定条件の芝1800m戦。エイシンチラーは大外12番からスタートすると、前走と打って変わって今回は後方で足を溜める形に。前半3Fが37秒1とスローペースで流れるなか、直線で外に持ち出すと上がり最速33秒1の末脚を繰り出し、ゴール前で粘る年長馬を差し切った。
鞍上のデムーロ騎手は、「道中はずっと手応えが良かったです。リラックスして走ってくれました。最後まで一生懸命頑張ってくれました」とパートナーを労った。
また、管理する田中剛師は、「道中はふわふわしてたみたいですが、最後に気合をつけだして、集中して気持ちが入った時の脚の破壊力はすごい。秋に向けて楽しみです」と期待を膨らませている。
ところで、エイシンチラーが制した三面川特別だが、ちょっとした出世レースでもある。この舞台で好走した3歳馬が、後に近年G1や重賞などのオープンで好走するケースが目立っているのだ。
昨年の優勝馬クラヴェルが今年に入ってG3で連続好走中。18年2着のウラヌスチャームがリステッドとオープン特別をそれぞれ1勝。また、14年3着には後にグランプリホースに輝くマリアライトもいた。
また、秋華賞(G1)トライアルだけでなく、本番での好走も目立つ。17年2着カワキタエンカは、次走のローズS(G2)で2着と好走。13年4着スマートレイアーは秋華賞2着、12年3着ラスヴェンチュラスがローズSでジェンティルドンナの3着に入った。更に遡ると、07年優勝レインダンスは、秋華賞でウオッカに先着する2着と健闘した。
エイシンチラーは、これまで6戦して馬券圏内を外したのが重馬場だった3走前のみと安定感が長所だ。ただ、前走は雨で傷んだ馬場のインコースを突いて勝利しており、渋った馬場が苦手という訳でもなさそう。初勝利が逃げ切り勝ちであるように、前から後ろでも競馬できる自在な脚質もセールスポイントとして挙げられるだろう。
田中剛師のレース後コメントから、この後は秋華賞へ向けて調整が濃厚。秋華賞と相性のいい三面川特別の傾向からも侮れない存在だろう。
前走勝利後に、「(エイシンチラー)は凄くいい馬」と絶賛していたデムーロ騎手。今回の勝利で秋への手応えもつかんだはずだが、嬉しい誤算となる可能性もある。オークスを制したユーバーレーベンの主戦だけに、秋華賞戴冠を目論むユーバーレーベンにとって、厄介な相手となるかもしれない。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRA「引退か、現役続行か」崖っぷちの“落ちこぼれ”が成し遂げたサクセスストーリー。小倉記念(G3)制覇モズナガレボシ、1年前は未勝利馬
JRA 武豊の助言のおかげ!? 「お騒がせ」若手騎手が遂に連敗を「299」でストップ! 出世レース制し初勝利づくし
JRA「武豊の法則」でブービー人気・スーパーフェザー3着激走! 過去4勝“好相性”小倉記念(G3)に「条件成立」で好走フラグは立っていた!?
フジテレビ『みんなのKEIBA』痛恨の実況ミス連発に唖然……「池添”洋一”だったら仕方ない」!? 単勝1.8倍・大本命ソングライン“別人”騎乗で不完全燃焼
JRA「爆速の血」覚醒でハクサンムーン産駒が4馬身差の圧勝!「直線1000mの適性は高い」目指すは父娘アイビスサマーダッシュ制覇?