JRA過去には武豊も参戦した「女王決定戦」。マルシュロレーヌが参戦決定「BCディスタフ」とは? 意外と日本とも接点あり!?
ダート重賞4勝を誇るマルシュロレーヌ(牝5歳、栗東・矢作芳人厩舎)が、11月6日に米国デルマー競馬場で行われるブリーダーズカップ・ディスタフ(G1、以下BCディスタフ)へ参戦することが判明した。
今年のBCデーには日本馬から、ラヴズオンリーユーがBCフィリー&メアターフへ、マテラスカイがBCスプリントへ、グレナディアガーズがBCマイルへ出走を予定しているがマルシュロレーヌもこれらに続いて出走する見込みだ。
BCディスタフは、1984年に創設された3歳以上の牝馬限定ダート9ハロン戦だ。米国競馬の祭典であるブリーダーズカップデーに行われるレースで、日本のJBCレディスクラシックは同レースを手本としている。
米国競馬ダート牝馬路線の1年を締め括る「女王決定戦」とも言われており、賞金額も牝馬限定戦世界最高レベルだ。
女王決定戦だけあって過去の勝ち馬には、13戦13勝でG1・8勝を誇り「ミス・パーフェクト」の異名をもつパーソナルエンスン、生涯45戦25勝で「鉄の女」で親しまれたレディーズシークレット、デビューから19戦19勝、G1計13勝したゼニヤッタなどが名を連ねている。
日本に繫殖牝馬として輸入された馬も歴代の勝ち馬の中に含まれている。シルヴァンシャーやロイカバードの母として知られているアゼリは02年の優勝馬だ。また、08年優勝ジンジャーパンチはルージュバックやポタジェの母として有名だ。
BCディスタフへの日本馬の出走は未だにない。一方、日本人騎手では武豊騎手が94年にエリンバードに騎乗して同レースへ参戦をしている(4着)
マルシュロレーヌは唯一敗れたダート牝馬戦が昨年のJBCレディスクラシックということで、今年はそのリベンジが期待されていた。だが、本場米国の“レディスクラシック”出走となる見通しだ。
ファンの間では「確実にG1馬になってほしい」という願いから、今回の米国遠征に反対する意見も見受けられる。一方、「国内に敵はいない」や「国内でこれほど強いダート牝馬はなかなか出てこない」という理由から遠征に肯定的なファンもいる。
BCディスタフはこれまで37回行われているが、米国馬以外が勝利したのは第8回を制したカナダ三冠馬ダンススマートリーのみ。外国馬が優勝することさえ困難なレースを日本馬が制するとなれば歴史的な偉業となるだけに、マルシュロレーヌの乾坤一擲の走りに期待したい。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。
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