スノーフォール「神話崩壊」が意味するものとは? 凱旋門賞(G1)前哨戦でエルコンドルパサーを彷彿させる逃げ切り、コントレイルの「影武者」が勢力図に一石
そして何より、見逃せないのはアッと驚く快勝を見せたディープボンドが、スノーフォールの敗れたヴェルメイユ賞の勝ちタイムを上回っていたことである。レース展開による差異はあるとしても、同日の同時間帯に両レースが行われているだけに、時計面での誤差は小さいはず。
G1とG2の違いはあれども、いずれもパリロンシャン競馬場の芝2400mのレース。ヴェルメイユ賞の2:31:99に対し、フォワ賞は2:31:82とわずかに速い。
スノーフォールがゴール前で余裕を持って流していたなら話は別だが、1馬身1/2遅れての2着でゴールしていることを考えると、少なくとも時計面ではディープボンドが先着していることを意味する。これはスノーフォール一色だった勢力図に一石を投じる結果だ。
3歳時は、同じノースヒルズ軍団の大将格であるコントレイルばかりに注目が集まる中、結果的に“影武者的”な先導役を果たしているかのように思えるシーンもあった。
だが、ディープボンドは今年に入ってその才能を開花。阪神大賞典(G2)で5馬身差の圧勝を決めただけでなく、1番人気を背負った春の天皇賞(G1)でも“負けて強し”の2着と地力強化を印象付けた。
そこへきて海外重賞のフォワ賞を制した上に、スノーフォールよりも時計は速かったのだから、もはや日本でも間違いなくトップクラスの1頭まで上り詰めたといっても過言ではない。
本番では、ディープボンドよりも実績的に格上のクロノジェネシスも参戦を予定している今年の凱旋門賞。どうやら例年以上に楽しみを持てそうな雰囲気だ。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
PICK UP
Ranking
11:30更新- C.ルメール「菊花賞でもチャンスがある」前日のミスからガラリ一変…鞍上問題発生もドゥレッツァの再現濃厚か
- 永島まなみ、菊沢一樹で「億超え」から歴代3位の急降下…「空気を読まない」WIN5がファン翻弄!?
- 「44対22」でナムラクレアにチャンス増える?スプリンターズSは横山武史と新コンビ
- ジャスティンミラノ、ジャンタルマンタル不在の菊花賞…底見せていない素質馬に権利取りの期待
- 打倒ダノンデサイルに向けて好メンバー集結!神戸新聞杯の陣営の本音と建て前!昨年10番人気激走サヴォーナの裏話から見えた今年の激走馬とは?
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 岩田康誠「復活のキーマン」はあの調教師!? スリーキングス新馬勝利後の落馬にヒヤリもコンビ結成は急上昇中
- 川田将雅×中内田充正「出走機会4連勝」ローズS無双も本番の秋華賞では…クイーンズウォークに見えた課題
- アーモンドアイに食い下がった「実力馬」の初仔がノーステッキ初陣V!「能力は確かです」母と同舞台で初白星、ラスト一冠の惑星に急浮上?
- 【神戸新聞杯(G2)展望】菊花賞(G1)の王道トライアルで春の実績馬と夏の上がり馬が激突!
関連記事
元JRA藤田伸二氏「ルメールのせいで勝てなかった」10年越しの恨みを発散!? 騎乗停止になるも着順変更なしに不満、凱旋門賞(G1)前哨戦を前に怒りの回顧
凱旋門賞(G1)大本命スノーフォールに「ゴドルフィン」の刺客!? 「この馬はジョッキーの夢」世界的名手が惚れ込む愛ダービー馬がG1・3連勝
JRA川田将雅「海外遠征」では屈辱の歴史!? 日本ダービー制覇も「次走」乗り替わり、“オマケ”で凱旋門賞挑戦もC.ルメールから叱責……
JRA クロノジェネシス、凱旋門賞出走日程に「勝つ気あるのか」と辛辣な声!? 過去の日本馬“好走パターン”と異なる点とは?
JRA「騎乗停止」武豊×オルフェーヴルで池添謙一の人生変わった!? 泥沼「8連敗」C.ルメールは何故「クロノジェネシス×凱旋門賞(G1)」を断念したのか【週末GJ人気記事総まとめ】