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JRA タマモクロスVSオグリキャップ後年語り継がれる「芦毛頂上決戦」と父の悲願を成し遂げた天皇賞制覇・史上初春秋連覇の偉業

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JRA タマモクロスVSオグリキャップ後年語り継がれる「芦毛頂上決戦」と父の悲願を成し遂げた天皇賞制覇・史上初天皇賞春秋連覇の偉業の画像1

 今から34年前の1987年。4歳(現3歳)クラシックはサクラスターオーの皐月賞制覇で幕を開けた。3冠馬ミスターシービーを思わせる怒涛の追い込みを見せたスプリングS(G2)の走りで俄然注目を集めたマティリアルやゴールドシチー、メリーナイスの世代となる。

 そんな世代で、4歳3月の阪神開催で特に注目を浴びることなくひっそりとデビューし、3戦目で未勝利脱出という地味な条件馬がいた。後の「白い稲妻」タマモクロスだ。

 父シービークロス、母グリーンシャトーと見るところのない地味な血統な上、4歳夏までは400万下(現1勝クラス)を勝ち上がることすらままならない、どこにでもいる一介の条件馬に過ぎない存在だった。

 そんなタマモクロスだったが、10月の京都で400万条件を脱出。翌月には条件特別を連勝して、1500万条件(現3勝クラス)の身で鳴尾記念(G3・当時G2)に挑戦。条件馬の身でありながら3番人気に推され、最後方から追い込み、直線だけで2着のメイショウエイカンに6馬身差をつける圧勝で4連勝を飾る。

 同期の2冠馬サクラスターオーとダービー馬メリーナイスはともに有馬記念で競走中止になり、サクラスターオーはここで命を落とすなど、クラシック組には暗雲。そんな中、タマモクロスは俄然存在感を増し、冬場も休養せず験担ぎで金杯(G3・現京都金杯)に出走。トップハンデを背負いながらも後方一気の追い込みで5連勝をマーク。春の盾取りに向けて動き出す。

 父シービークロスは初代「白い稲妻」と称され、3冠レースの有力馬と目されるほどの実力の持ち主だった。天皇賞には春秋3度のチャンスがあったが、最初の挑戦では追い込んで届かず3着、同年秋の天皇賞(当時東京3200m)も前哨戦をレコードで制して最有力馬に上がったが、繋靭帯炎を発症して回避。翌年春の天皇賞は今年と同じく京都競馬場の改修で阪神に開催が変わり、短い直線の阪神では実力を発揮できず4着に終わり、運が味方しないまま現役生活を終えている。

 そんな父の悲願を達成すべく、3月に阪神大賞典(G2)に出走。いつもと違い、好位追走で抜け出して単勝1.7倍の圧倒的1番人気に応えて6連勝。いよいよ春の天皇賞へ向かう。

 天皇賞でも1番人気に推されたが、4.4倍と戦績の割に圧倒的な支持は得られなかった。続く2番人気は前年の有馬記念を制したメジロデュレンで4.9倍。3番人気は同世代でクラシックも好走したゴールドシチーが続く。

 レースはスローペースで流れ、タマモクロスは中団につけたまま3コーナーから進出し始め、直線で先頭に立つと2着のランニングフリーに3馬身差をつけて圧勝。鞍上の南井克巳騎手(現調教師)に初のG1タイトルをプレゼントすると同時に、父の悲願を達成したのだった。

 7連勝の勢いで宝塚記念に出走。そこには前年の天皇賞・秋(G1)とマイルCS(G1)を制したニッポーテイオーが立ちはだかり、ステイヤーと見られたタマモクロスは2番人気に甘んじる。だが、レースでは先行するニッポーテイオーを直線で捕まえ、2馬身半差のリードをつけて8連勝。ただのステイヤーではないことを証明した。

 この後休養に入り、秋は史上初の天皇賞春秋連覇をかけて天皇賞・秋へ直行することに。そこには、クラシックに出走できなかった「芦毛の怪物」オグリキャップが立ちはだかることになる。

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