JRA タマモクロスVSオグリキャップ後年語り継がれる「芦毛頂上決戦」と父の悲願を成し遂げた天皇賞制覇・史上初春秋連覇の偉業
オグリキャップはここまで重賞6連勝と怒濤の勢いで、前々走の高松宮杯(G2・現高松宮記念)と毎日王冠(G2)で古馬を圧倒し、天皇賞に駒を進めてきた。クラシックに出走できない地方出身馬オグリにとって、最大の目標がこの天皇賞・秋だったのだ。
1番人気はオグリキャップで2.1倍、人気を譲ったタマモクロスは僅差の2番人気で2.6倍と評価は拮抗していた。3番人気のダイナアクトレスが7.7倍だったことで、この2頭が抜けた存在だと見られていたことがわかる。
スタートが切られると、タマモクロスは2番手につける積極策を採る。一方のオグリキャップは中団から前をうかがうレースに徹した。逃げたレジェンドテイオーを直線で交わすとタマモクロスは先頭に立つ。追い込んでくるオグリキャップを待ち構えるように追い出すと、直線では2頭の一騎打ちに。だが、オグリは追ってもタマモクロスに届かず、1馬身1/4差でタマモクロスが勝利した。
この勝利の意味するところは大きく、日本競馬史上最強馬と謳われたシンボリルドルフすら達成できなかった史上初の天皇賞春秋連覇と、3冠牝馬メジロラモーヌ、オグリキャップに並ぶ重賞6連勝をマークしたのだった。
オグリキャップとタマモクロスはこのあとジャパンC(G1)に出走。タマモクロスは堂々の1番人気に推されたが、伏兵ペイザバトラーの強襲に屈して2着、オグリは3着とここでもタマモクロスを超えられなかった。
タマモクロスは有終の美を飾るべく有馬記念(G1)を引退レースに定め、オグリキャップもここに出走。「芦毛頂上対決」の最終章が幕を開ける。
1番人気はタマモクロス、続く2番人気にオグリキャップが推された。オグリキャップは前走まで河内洋騎手(現調教師)が主戦を務めていたが、陣営はテン乗りで岡部幸雄騎手を指名し、必勝の構えを見せていた。
レースでは、タマモクロスは再び最後方からの競馬。オグリキャップは中団好位につけて先頭をうかがうが、4コーナーで両馬が順位を上げていくとそのまま直線へ。直線では2頭の激しい叩き合いになったが、今度はタマモクロスが半馬身及ばず、オグリキャップが勝利をもぎとった。芦毛対決に決着をつけ、伝説の5歳(現4歳)シーズンを迎えるのだった。
天皇賞を連覇したタマモクロスと芦毛の怪物・オグリキャップは史実と同じく『ウマ娘』でも仲良く張り合う関係が描かれている。
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