
JRA 忍び寄る「刺客」に川田将雅は戦々恐々!? 宝塚記念(G1)レイパパレ参戦で「現役最強馬決定戦」実現も素直に喜べない裏事情

4日の大阪杯(G1)を制し、デビューから無傷の6連勝でG1馬へ駆け上がったレイパパレ(牝4、栗東・高野友和厩舎)が、6月27日に阪神競馬場で行われる宝塚記念(G1)に参戦する。同馬を所有するキャロットクラブが27日、ホームページで発表した。
春のグランプリといわれる宝塚記念だが、暮れのグランプリ・有馬記念(G1)に比べると6月下旬の開催時期と遅め。そのため、世代を超えた実力馬が集まることが多く、1年の総決算といった意味合いの強い有馬記念に比べると、有力馬の回避も多く寂しいメンバーとなることも珍しくはない。
しかし、今年は近年稀に見る好メンバーによって争われることが濃厚だ。
無敗の三冠馬コントレイルが早々に出走を表明。先週のクイーンエリザベス2世C(G1)を制したラヴズオンリーユー、昨年に続く連覇を狙うクロノジェネシスなど、有力各馬が続々と参戦を決定。さらに無敗のレイパパレも出走するとなれば、現役最強馬決定戦といっても過言ではない。
我々競馬ファンにとっては非常に楽しみな一戦となるのだが、レイパパレの参戦を素直に喜べないのが同馬の主戦を務める川田将雅騎手かもしれない。
川田騎手はクイーンエリザベス2世Cを制したばかりのラヴズオンリーユーというお手馬もいる。同馬は長らくM.デムーロ騎手とコンビを組んでいたが、コンビを解消した京都記念(G2)を川田騎手の手綱で快勝。レース後には陣営も中間の追い切りからコンタクトを取った川田騎手を絶賛するコメントを出した。
海外遠征では外国人騎手が騎乗したとはいえ、国内戦ではコンビ続行が濃厚と考えられるため、同じくお手馬のレイパパレと鞍上問題が発生することになる。
一時期の不振から完全に立ち直ったとはいえ、ラヴズオンリーユーは5歳馬。これに対し、レイパパレは4歳と若い上に大阪杯でコントレイルやグランアレグリア、サリオスなどトップクラスを相手に大楽勝しているだけに、まだ無敗と底を見せていないレイパパレは魅力的だろう。
だが、すんなりと決まらなさそうなのが、C.ルメール騎手の存在である。
「大阪杯はグランアレグリアが出走したこともあってルメール騎手は同馬に騎乗しましたが、宝塚記念の騎乗馬はまだ決まっていません。天皇賞・春(G1)に出走するアリストテレスも前哨戦の阪神大賞典で大敗したように、トップクラスと呼ぶにはまだまだ疑問です。宝塚記念に出てきたとしても、これらの強力メンバー相手に1番人気とはならないでしょう。
そうなるとレイパパレに騎乗する可能性は十分にあると思います。2頭はいずれもルメール騎手を”ファーストドライバー”とするノーザンファームの生産馬です。鞍上問題が発生する川田騎手に対し、ルメール騎手が空いているならば、川田騎手がラヴズオンリーユー、ルメール騎手がレイパパレとなっても不思議ではありません」(競馬記者)
また、仮にこのような結果となったとしても驚けない過去の経緯もある。
レイパパレは昨年の秋華賞(G1)に登録していたが、川田騎手はリアアメリアの騎乗が決まっていたため、キャロットクラブはルメール騎手とのコンビを発表。最終的に4/6の抽選に外れて除外となり、川田騎手が大原S(3勝クラス)でコンビ続行となった。
再びお手馬2頭がぶつかることになってしまった川田騎手。前回の危機はなんとか切り抜けることに成功したが、今回はルメール騎手に奪われてしまう可能性も残されており、レイパパレの宝塚記念参戦を素直に喜べないのではないだろうか。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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