JRA 宝塚記念(G1)は「史上最高」メンバーが激突!? コントレイルVSクロノジェネシスも実現…… 寂しい春のグランプリが空前絶後のハイレベルに
先週、香港のシャティン競馬場で行われたクイーンエリザベス2世C(G1)は、3番人気ラヴズオンリーユーが直線で抜け出して優勝。2019年オークス以来となる待望のG1・2勝目を手に入れた。
ラヴズオンリーユーを管理する矢作芳人調教師はレース後、馬の状態と相談してからになるとしつつ、気になる次走について「春に使うとするならば、宝塚記念になると思う」とコメント。春のグランプリを視野に入れていることを語っている。
同レース出走した日本馬は1着から4着までを独占。改めて日本競馬のレベルの高さを証明する結果ともなったが、2着に敗れたグローリーヴェイズ、3着デアリングタクト、4着キセキなども宝塚記念に出走する可能性がある。
これを考慮すると、今年の宝塚記念はとんでもない豪華メンバーで争われるかもしれない。
4月の大阪杯(G1)は無敗の三冠馬コントレイル、春秋マイル制覇を含むG1・4勝を挙げたグランアレグリア、4歳牡馬NO.2の呼び声も高かったサリオスが出走し、下馬評でも三強を形成した。
そして、これらをまとめて破ったのが4歳牝馬のレイパパレ。デアリングタクトが制した昨年の秋華賞を除外になったものの、直前に行われた大原S(3勝クラス)で圧倒的なパフォーマンスを披露。芝1800mの勝ち時計が秋華賞の1800m通過を大きく上回っていたことから“幻の秋華賞馬”といわれていた素質馬だった。
グランアレグリアはヴィクトリアマイル(G1)、サリオスは安田記念(G1)に参戦を表明したが、コントレイルが次走で宝塚記念に向かうのは陣営の既定路線。レイパパレも今年はまだ大阪杯のみということもあり、出走してきても不思議はない。
また、ドバイシーマクラシック(G1)2着のクロノジェネシス陣営も連覇を懸けて宝塚記念に出走すると発表しており、これだけでも大阪杯以上といっても過言ではないメンバー構成。参戦が流動的な馬もいるとはいえ、少なくともクロノジェネシス、コントレイル、ラヴズオンリーユーの対決は濃厚である。
さらに天皇賞・春(G1)に出走を予定しているカレンブーケドール、ワールドプレミア、ディープボンド、ウインマリリン、アリストテレスなども出走してもおかしくない。
同じグランプリでも日本一のG1売上を誇る有馬記念(G1)に比べて、盛り上がりに欠けるといわれている春のグランプリ。前者がその年を締めくくる総決算といえるお祭りレースに対し、後者はトップクラスの回避も珍しくなく、寂しいメンバーで行われることが多かった。
だが、もしこれらトップクラスの実力馬たちが激突するようなら、それこそ宝塚記念史上最高レベルの戦いが実現することになりそうだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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