JRA レイパパレの圧勝は「フロック」だったのか!? 大阪杯(G1)コントレイル、グランアレグリアに力負け疑惑…… 敗因は重馬場だけといい切れない理由
先週、阪神競馬場で行われた大阪杯(G1)は、コントレイル、グランアレグリア、サリオスといった現役トップクラスの実力馬が一堂に会し、春のクラシックを前に大きな盛り上がりを見せた。
だが、そんな強豪を相手に4馬身以上の差をつけて一蹴したのは4番人気のレイパパレ(牝4、栗東・高野友和厩舎)だった。
同馬はデアリングタクトが三冠を達成した昨年の秋華賞(G1)直前に行われた大原S(3勝クラス)を好時計で圧勝。秋華賞を除外されていたこともあり、「幻の秋華賞馬」と評する声も一部で出ていたほどだった。
とはいえ、三強の一角である3番人気サリオスの単勝オッズが5.8倍だったのに対し、4番人気レイパパレは12.2倍と大きく離されていたことも事実。無敗で連勝している勢いはあったにしろ、前走のチャレンジC(G3)で重賞初制覇を遂げたばかり。
無敗の三冠馬コントレイル、昨年の安田記念(G1)でアーモンドアイ相手に完勝したグランアレグリアや、4歳牡馬NO.2の評価がされていたサリオスとは、実績面で見劣っていたことは否めない。
多くのメディアで触れられているように、当日降り続いた雨によって重馬場となったことが、大きく影響したことは確かだろう。
2着に入ったモズベッロは池添謙一騎手の好騎乗はあったにしろ、あくまで穴で一発があるかないかの域を出ていなかった。激走の背景には、昨年の宝塚記念(G1)で3着に入った阪神開催と重馬場への適性が後押しとなったと考えられる。
その一方、三強といわれた3頭がそこまで本来の力を発揮できなかったのかとなると、わずかながらも疑問は残る。コントレイルは4着グランアレグリアにクビ差先着しての3着。5着サリオスにも0.2秒の差をつけたことから、これまで同様先着は許していない。
勿論、3頭とも重馬場が得意といえる内容ではなかったにしろ、長距離への適性はないと強調し、ベストは2000mと宣言していたコントレイル陣営としては言い訳の余地はないとも感じられた敗戦であった。
「モズベッロにも先着を許したことは馬場の影響といえなくもないですが、レイパパレはさらに4馬身先でゴールを駆け抜けています。この馬は良馬場でも結果を出しているようにただの重巧者というだけで片付けていいとはいえないでしょう。
母父のクロフネがレイパパレの背中を押してくれたという声もありますが、軽くて時計の出る馬場が得意なディープインパクト産駒というのはレイパパレも同じです。それにコントレイルの母父はUnbridled’s Song、グランアレグリアの母父もTapitと、ダートでも活躍馬を出している血統ですから、こなせても不思議ではないともいえそうです」(競馬記者)
これらを考慮すると、仮に良馬場で開催されていたならレイパパレが勝てなかったと「フロック」扱いしてしまうのは早計なのではないかという見方も成立するだろう。
おそらく今年の始動戦が大阪杯だったことを考えれば、名実ともにトップへ上り詰めるには宝塚記念(G1)が次走に選ばれる可能性が高い。
このレースには昨年の勝ち馬クロノジェネシスも参戦濃厚と見られているだけに、既に出走を表明しているコントレイル、出走の可能性があるデアリングタクトらを負かすようなら、レイパパレは誰もが納得せざるを得ない真の王者の座を手に入れることになる。
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