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平成“最弱”ダービー馬「10馬身圧勝」の逆襲!? わずか8頭のJRA所属から16年ぶりレコード更新のド派手な初勝利

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 衝撃的な初勝利は、逆襲の狼煙か。

 先週18日、中山競馬場で行われた2R・2歳未勝利でアトラクティーボ(牡2歳、美浦・武藤善則厩舎)がファンの度肝を抜いた。

 スタートから積極果敢にハナを奪うと、最後の直線ではワンサイドの独走劇。2着エコロドラゴンに10馬身差をつける圧勝を飾っただけでなく、勝ち時計1:52.2は2005年にフラムドパシオンが記録した中山ダート1800mの2歳レコードを0.5秒も更新した。

 レースの中身も圧巻ながら、それ以上に話題を呼んだのは、本馬が2014年のダービー馬ワンアンドオンリーの初年度産駒であるという事実だ。

「種牡馬になっていたのか――」

 ネット上で、そんな声が上がるのも無理はない。ダービー馬といえば聞こえはいいが、その戦績は33戦4勝。日本ダービー(G1)で世代の頂点に立ち、秋の始動戦・神戸新聞杯(G2)を勝つまでは輝かしいスター街道を歩んでいたが、次走の菊花賞(G1)で9着と1番人気を裏切ってから23連敗……。

 最終的に6歳のジャパンC(G1)までタフに走り続けたが、最後の1年は二ケタ着順が続き、さらにラスト3戦はいずれも単勝100倍以上と、キャリア晩年はかつての栄光など影も形も見られないまま、ひっそりと引退した経緯がある。

「もっと早く引退する道もあったと思いますが、陣営は不振の原因が肉体的な衰えではなく、気性面にあると見ており、手を変え品を変えて改善策を探っていました。しかし結局、ワンアンドオンリーがかつての輝きを取り戻すことはなく……ダービー馬としては異例の長期スランプとなりました」(競馬記者)

 そんな経緯があったからか、いつしかワンアンドオンリーは一部のファンから「平成最弱のダービー馬」と揶揄されることに……。競走馬としての価値が完全に底をついた状態での引退だっただけに、種牡馬入りが危ぶまれていたというわけだ。

「実際のところ種牡馬入りしたのは、貴重なハーツクライの後継種牡馬だった点も大きいと思います。これがもし(後継種牡馬が多い)ディープインパクトの産駒だったら、わからなかったかも……」(同)

 引退後、新ひだか町のアロースタッドで種牡馬入りしたワンアンドオンリーだが、初年度の種付料は50万円というダービー馬としては異例の低価格だった。しかし、そんな“低姿勢”だったにもかかわらず、集まった種付数はわずか20……無事に競走馬登録されたのは14頭に留まり、現在中央競馬に所属しているのは、わずか8頭だけという非常に厳しいスタートを強いられている。

 ただ、そんな崖っぷちの中から登場したのが、いきなり16年ぶりのレコード更新というド派手な初勝利を飾ったアトラクティーボだったのだ。

「スムーズに競馬ができました。まだ引っかかるところがあるけど、今日はリズム良く運べたのが大きかったです」

 レース後、そう武藤雅騎手から評されたアトラクティーボ。“最弱”とまで揶揄されたダービー馬ワンアンドオンリーの逆襲は、ここから始まるのか。それとも厳しい現実は変わらないのか――。崖っぷちのダービー馬が「再び」勝負の時を迎えている。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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