JRA「迷走」ジャパンカップにヨシオ以上の刺客!? 外国馬に嫌われた「高速馬場」もむしろ大歓迎、アルカセット以来の優勝に現実味
「世界に通用する強い馬づくり」をスローガンに創設された日本初の国際G1のジャパンCも、メアジードーツが優勝した1981年の第1回からはや40年。
日本馬が初勝利を挙げた84年のカツラギエース、翌年に雪辱を果たした皇帝シンボリルドルフ、89年はオグリキャップとホーリックスが激闘を繰り広げ、この年の走破時計2分22秒2は、当時の芝2400mにおける世界レコードともなった。
以降もトウカイテイオーによるルドルフとの父子制覇、このレース優勝を機に世界へ旅立ったエルコンドルパサーも出たように、世界のトップクラスと互角に渡り合えるほど、日本馬のレベルは格段にアップした。創設当初の目的も達成され、国際競走としての役割も十分に果たしていたといえる。
だが、日本馬のレベルが底上げされるにつれて、外国馬との立場逆転が顕著となってしまったことは、主催者であるJRAにとって大きな誤算だっただろう。
2005年アルカセットの優勝を最後に外国馬の好走は、ディープインパクトが制した翌年にヴィジャボードが3着に入ったのみ。07年以降は日本馬のワンツースリーが続き、昨年のアーモンドアイまで何と14年もの間、こういった状況が続いている。
それでもまだ海外で超一流どころの参戦を、真っ向勝負で返り討ちにしていたなら救いもあるが、“日本馬によるただの運動会”に近いというのが実態だ。かつてのような大物の出走も減り、ジャパンC以外にも海外で高額賞金のレースも増え、以前のような魅力がなくなっていることも影響しているだろう。
さらに、近年過剰なまでに進んでいる馬場の高速化も深刻だ。アーモンドアイが優勝した18年には、2分20秒6という驚異のレコードが出たように特殊な馬場。これではもはやガラパゴス状態という声も一部で出始めた。
世界最高峰の舞台と評されるフランスの凱旋門賞(G1)が、タフなロンシャンに対応できるパワーと適性を求められることに対し、ジャパンCが歩んだ歴史はまるで正反対。にもかかわらず、日本競馬の悲願が凱旋門であることは、迷走していると言われても仕方がない。
国際G1でありながら19年には、史上初となる外国馬不参加という異例の事態を打開すべく、JRAも重い腰を上げた。先日、ジャパンCウイークに条件クラスの国際競走新設を発表。白井滞在をパスしての東京競馬場への直接入厩を可能にする施設の着工に続き、帯同馬にも門戸を広げる選択肢を増やした。
昨年こそ1頭とはいえウェイトゥパリスの出走でなんとか体裁を保ったジャパンCだが、これらの着手はかつての輝きを取り戻すための足掛かりとなるだろうか。
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