GJ > 競馬ニュース >  横山武史 強い意思が生んだ咄嗟の「好判断」
NEW

JRA 横山武史「馬に助けられました」も……先週と同じ轍は踏まない!強い意思が生んだ咄嗟の「好判断」

JRA 横山武史「馬に助けられました」も……先週と同じ轍は踏まない!強い意思が生んだ咄嗟の「好判断」の画像1

「馬に助けられました」

 自身にとって特別な愛馬が、2週連続の「前が壁」から救ってくれたのだろうか。

 26日、中山競馬場でオールカマー(G2)が行われ、横山武史騎手が騎乗の2番人気ウインマリリン(牝4歳、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝。3月の日経賞(G2)に続く3度目の重賞勝ちを手にした。

 16頭立ての芝2200m条件で開催されたレース。1枠1番からスタートを切ったウインマリリンは、逃げ宣言をしていたロザムールや同期のG1馬レイパパレを先に行かせて、内の3番手から追走。「逃げ馬の後ろが取れて、思い描いた形で運べました」と、騎手自身が振り返る絶好の位置からレースを進める。

 3コーナー過ぎから後方にいたグローリーヴェイズが一気に進出を開始し、ここから一気にペースアップ。各馬の手綱が動くなか、横山武騎手の手綱は動かないまま。手応え十分な状態で4コーナーを回る。

 最後の直線に入って早々に失速したのは、レースを引っ張ったロザムール。「ロザムールとレイパパレの間を最初は狙おうとした」と、本人が語るようにロザムールが下がった隙を図って、レイパパレの右にできていたスペースを狙った。

 しかし、「もったいないシーン」と思い返す場面はあった。レイパパレ鞍上の川田将雅騎手が進路を締めたため、狭くて入り切れず。その結果、横山武騎手が手綱を引っ張るシーンもあったほどのロスを被ってしまう。

 万事休すと思われた次の瞬間。ウインマリリンは、すぐにレイパパレとグローリーヴェイズの間にあった1頭分の隙間に突っ込む。道中はインの経済コースで、脚を溜めていたことが功を奏したか、進路を確保してからは抜群の切れ味を発揮。力強く伸び秋の伝統重賞を勝ち取った。

JRA 横山武史「馬に助けられました」も……先週と同じ轍は踏まない!強い意思が生んだ咄嗟の「好判断」の画像2

 今回のレースで思い出されるのが、20日に同コースで行われたセントライト記念(G2)だろう。横山武騎手は、このレースで1番人気のタイトルホルダー(牡3歳、美浦・栗田徹厩舎)へ騎乗していた。

 タイトルホルダーはオールカマーのウインマリリン同様に、道中はインの3番手でレースを進めた。タイミングこそ異なるが、今回のグローリーヴェイズのように道中進出を試みて、先行集団に取り付く馬もいた。

 ただ、直線では八方塞がり。前は開かず、横はラチと蓋をする馬で完全に進路が塞がれてしまった。「マークされる立場で厳しい展開でした。直線も進路がありませんでした」と、横山武騎手は唇を噛んだ。

 今回は直線で前が塞がる場面まで先週と似たレース内容だが、明らかに異なったのは、前が塞がった“後”だ。横山武騎手はすぐさま進路を変更し、ウインマリリンを「Vロード」へと導くことに成功した。

 ウインマリリンは全11戦中9戦タッグを組んでいるパートナー。デビュー前の追い切りから騎乗し、自身に初めての重賞勝利をもたらしてくれた馬だ。今回の咄嗟の判断は、思い出の馬で“先週と同じ轍は踏まない”という強い意思が感じられた。

 レース後「今日は馬に助けられました」「精神的な部分が大きく成長しています」と、パートナーを称えた横山武騎手。その言葉には、自らの強い意思に応えてくれたウインマリリンへ最大限の感謝が含まれているのではないだろうか。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

JRA 横山武史「馬に助けられました」も……先週と同じ轍は踏まない!強い意思が生んだ咄嗟の「好判断」のページです。GJは、競馬、, , , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合